ドクターX3 最終回 (岸部一徳さん)

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岸部一徳さんは、テレビ朝日系列の毎週木曜夜9時枠にて放送されていた連続ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~(第3シリーズ)』に神原晶 役で出演しました。
一昨日は最終回(第11話)が放送されました。
●あらすじと感想
文科省、経産省、厚労省、そして厚生労働大臣・十勝喜子(ジュディ・オング)を味方につけ、国立高度医療センターの総長・天堂義人(北大路欣也さん)は、夢見てた特定国立研究開発法人「日本医療産業機構」の発足にこぎつけました。医療に関するすべてのリソースと予算を集中させ、国内外に高度で良質な医療を提供していこうという新時代の医療組織とのことです。天堂は初代理事長に就任し、とうとう医者として最高権力を持つ地位まで昇り詰めたわけです。
そんな折、西京大学病院の病院長・蛭間重勝(西田敏行さん)が国立高度医療センターへやって来ました。蛭間は深刻な高度進行同時性多発大腸がんを発症しており、大門未知子(米倉涼子さん)でないと手術は無理だと言いました。富士川清志郎(古田新太さん)をクビにしたい天堂総長は、富士川の進退と引き換えに引き受けると提案。自分の命には代えられないとして蛭間はあっさりと承諾しました。しかし、蛭間が直接未知子に自らの執刀医をお願いしたところ、未知子からは「いたしません」と言われて冷たくあしらわれてしまいました。
営業活動で一向に家へ帰って来ない神原晶(岸部一徳さん)のことを心配していた未知子は、センター内で神原と遭遇して驚きます。実は、神原は天堂に頼んで未知子にも内緒で極秘入院していたのです。神原は肺がん、転移性脳腫瘍、狭心症も合併していて、どう見ても手術適応外でした。大切な人をどうしてもこの手で守りたいと考える未知子は、自分に手術をさせてほしいと懇願しますが、神原はもう寿命・運命だと言い、後のことはすべて天堂にお願いしてあるとまで言及しました。
そして迎えた蛭間のオペ。海老名敬(遠藤憲一さん)が執刀医を務めますが、十二指腸にまで腫瘍が浸潤していて、高度な術式が必要な状態でした。さらに下大静脈に腫瘍が浸潤していることも判明。海老名たちが手術を続けるべきか悩んでいたところ、未知子が颯爽と現れました。患者に負担が少ない術式を即座に思いつき、神業でメインのオペを成功させました。
その矢先、未知子は行きつけの銭湯で、番頭から神原が月極めのロッカーの代金未納だと知らされます。未知子が代わりにロッカーを開けたところ、何億もの大金、土地の権利書、大門未知子外科病院の設計図と見積書などが入っていました。神原が未知子に話していた、未知子が思う存分手術出来るように最新の医療設備を揃えた最高の外科病院を作るという壮大な計画は本当だったのです。
未知子がセンターに駆けつけたところ、看護師長・白木淳子(高畑淳子さん)から神原はホスピスへ転院したと聞かされます。しかし、それは大門未知子に失敗させるわけにはいかないという神原の配慮でした。
天堂は「今後は君の面倒は私がみましょう」と言い、未知子を日本医療産業機構の理事会に連れて行きました。「あなたのために国家予算を獲得し、新規プロジェクトを立ち上げたいと思っています」と説明する天堂ですが、未知子は神原の件だと思ってついてきたので、聞く耳を持ちません。十勝大臣が日本医療産業機構の医師雇用契約書を差し出してサインを求めますが、未知子は「いたしません」と突っぱねました。続けて天堂が「大門術式によって10年後の世界の1億人が救われるんです。サインをしてください。神原さんもそれを望んでいるんです」と言うと、未知子は「あんた医者なんでしょ!?国とか10年後の世界の1億人とかそんな御託並べてる暇があったら、目の前の患者救ったら?!私はそんなものよりたった一人の大好きな人のオペをしたいんだよ!」と言い放ち、サインを拒否して退出しました。
そこへ原守(鈴木浩介さん)が神原の容体が急変したということを知らせに来ました。未知子は病院に戻ってオペに臨みます。海老名は天堂の許可を取らずに自分のクビをかけて手術の準備をしていてくれました。手術は困難を極めましたが、未知子は神原の教えを思い出してやり遂げました。
2000億円の予算が集約されることになった日本医療産業機構ですが、理事会においてその予算配分の決定権でもめ始めました。天堂は自分がトップダウン形式でそれぞれのプロジェクトに配分し、すべての決済は理事長である自分に一任されるものとして話を進めていましたが、他の大臣たちがそれでは天堂の独り占めになるとして異議を唱え出したのです。利権争いになることを恐れ、政治が介入すべきではないと主張する天堂ですが、内閣官房長官・羽生稔(中原丈雄さん)が現れて事態は一変します。羽生は「ここからは政治の世界です」と言い、「理事長の解任も任命も内閣に一任されている」と説明し、天堂の解任に関する閣議書を取り出しました。天堂は解任されてしまったのです。羽生は後任の人選として十勝を指名しました。天堂は「あなた方だけでやれるというのなら、おやりになればいい」と言って立ち去りました。これで日本医療産業機構も名ばかりとなって税金の無駄遣いになるのでしょう。天堂がセンターを去る際に「医者であるならば、やはり患者の前にいるべきだった」と呟いたのが印象的でした。天堂は一介の外科医に戻るとのことです。
後日、嘘か真か未知子は銭湯のロッカーに隠しておいたお金を全部使って宇宙に行きました。PCを通じて未知子と連絡を取る神原は、猫のベンケーシーが病気みたいだから早く戻るよう指示。着陸に失敗するなと言う神原に対し、未知子は「大丈夫。私、失敗しないので」と答えて地球に向かうのでした…。
「一番大事なのは、どんなに厳しいオペでも決して患者を見捨てないこと」という神原の言葉を愚直に守った未知子が印象的でした。本作でシリーズ完結とのことですが、個人的には、スペシャルドラマという形で復活してほしいと思いました。

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