相棒-劇場版II- (岸部一徳さん)

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『相棒 -劇場版II- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜』は、2000年の初放送から数えて、昨年6月で10周年を迎えたテレビ朝日系の刑事ドラマシリーズ『相棒』の劇場版第2作です。
岸部一徳さんは、警察庁長官官房室長(通称・官房長)の小野田公顕 役で出演しています。
先週、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
前代未聞の警視庁内人質籠城事件が発生。人質は、定例会議中だった田丸寿三郎警視総監(品川徹さん)、長谷川宗男副総監(國村隼さん)をはじめとした、各部の部長ら幹部12人だ。
偶然にも事件の直前に犯人の男と遭遇した特命係の神戸尊(及川光博さん)とその連絡を受けた杉下右京(水谷豊さん)は、事件発覚と前後して独自に捜査を開始。鑑識の米沢守(六角精児さん)や元特命係の陣川公平(原田龍二さん)の協力を得て、右京は事件の現場である会議室内の様子を把握することに成功する。そして、犯人が元警視庁刑事の八重樫哲也(小澤征悦さん)だという事実を突き止める。右京たちは、籠城前に尊が八重樫から助け出した女性である総務部装備課の朝比奈圭子(小西真奈美さん)が何かを知っているとにらんで話を聞きに行く。
そんな中、捜査本部の指揮をとることになった中園照生参事官(小野了さん)が、右京の強固な反対にも関わらず、特殊捜査班(SIT)や特殊急襲部隊(SAT)による強行突入を敢行してしまう。事態は何とか終息したものの、もみ合いの中で八重樫は何者かによって射殺された。大河内春樹監察官(神保悟志さん)の事情聴取に対して幹部たちは口を閉ざし、八重樫を射殺した人物はおろか、八重樫の目的さえはっきりしない。それにもかかわらず事件は警察にとって不名誉ということで、迅速に処理されていってしまう。釈然としない右京たちは、独自の捜査を続ける。
一方、事件を知った警察庁幹部の小野田公顕官房室長(岸部一徳さん)と金子文郎警察庁長官(宇津井健さん)は、不穏な動きを見せ始めるのだった…。
右京たちの捜査線上に浮かび上がったのは、1人の刑事が殉職している7年前の“米国国防長官暗殺未遂テロ事件”と、日本の公安部を裏で取り仕切ってきたとされる“影の管理官”の存在でした。さらに相棒ではおなじみの“警視庁と警察庁の確執”が大きく絡んでいき、衝撃の結末へと繋がっていきます。
ところで、劇中で尊と陣川は初対面の挨拶をしていました。それで現在放送中のseason9の第5話「運命の女性」では、尊と陣川は以前顔合わせをしたことになっていたんですね。でも第9話「予兆」は、劇場版IIのプロローグ的なストーリーとなっていたので、時系列で並べると、「予兆」(season9第9話)→「劇場版II」→「運命の女性」(season9第5話)ということになります。
今回印象的だったのは、小野田官房室長の「まさか絶対的な正義がこの世にあるなんて思ってる?」というセリフです。小野田官房室長は、右京に感化されて青くなってしまったのではないかと尊に問いただしたのです。しかし、右京と尊の正義は必ずしも同じではありません。右京はあくまでも事件の真実をつまびらかにすることが信念であり、いい意味でも悪い意味でも、それによって生じる利害は考慮しません。それに比べて尊は被害者にとって都合のいいことか悪いことかを考慮に入れたりする面があり、必ずしも真実を明らかにすることが正義とは思っていないようです。
ノンキャリの星・三宅貞夫生活安全部長(石倉三郎さん)の末路には驚きました。最初は少し同情していたんですが、まさかあのような行動に出るとは残念です。せめてあの後、3人を立件するために協力してくれたことを願ってやみません。
相棒ファンにとっては衝撃的な出来事があるので、是非ともご覧になることをおすすめします。

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