ドクターX2 最終回 (西田敏行さん & 三田佳子さん)

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テレビ朝日系列の毎週木曜夜9時枠にて放送されていた連続ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~(第2シリーズ)』は一昨日、最終回(第9話)を迎えました。
西田敏行さんは蛭間重勝 役で、三田佳子さんは馬淵一代 役で出演しました。
●あらすじと感想
帝都医科大学付属病院をクビになった大門未知子(米倉涼子さん)は、外科統括部長・蛭間重勝(西田敏行さん)の娘・裕華子(藤岡沙也香さん)を影武者で手術を成功させることにより、報酬として、悪性の筋繊維芽細胞腫を患う村田九留美(本田望結さん)の手術を帝都医大の本院で行う許可をもらいました。
ところが、手術の大半を近藤忍(藤木直人さん)にやらせたことが判明し、蛭間は約束が違うとして手術の中止を言い渡します。ここで引き下がる未知子ではありません。そもそも九留美の手術自体が仕組まれたものであることに気づき、その黒幕を所長・神原晶(岸部一徳さん)から聞き出し、その人の力を使って、蛭間に手術を承諾させました。黒幕は、帝都医大第三病院元院長・毒島隆之介(伊東四朗さん)と、帝都医大を掌握する東帝大学病院院長・蜂谷宗造(古谷一行さん)でした。
今回は胃・すい臓・脾臓・肝臓・大腸・小腸の6つの臓器すべてを取り出して処置するという、世界で2例しか成功例がなく、日本では前例のない“多臓器体外摘出腫瘍切除”。未知子といえども、近藤、海老名敬(遠藤憲一さん)、鷹野七起(浅野和之さん)たちの協力無しには成功が厳しい超難手術です。蛭間は事もあろうに手術日を主任教授選の日に設定しました。候補者である彼らが手術に参加できないことにより、未知子の手術失敗を狙ったのです。ひいてはその責任は危険な手術を帝都医大に押し付けた東帝大病院院長・蜂谷にあることになり、それを世間にリークすることによりマスコミが騒ぎ立て、蜂谷の立場が急降下し、東帝大病院院長の椅子が空くことを目論んだのです。
状況を知った神原所長は、無理な手術をして結果失敗して患者に裁判を起こされたら名医紹介所が潰れるとして、もしやるならクビであると宣告。それでも未知子と麻酔科医・城之内博美(内田有紀さん)は、辞表を出して手術に臨みました。手術とほぼ同時に始まった主任教授選。無事最終意思確認のスピーチを終える近藤でしたが、突然選挙を辞退し、投票も棄権しました。未知子の手術に参加するためです。続いて鷹野も一外科医として選挙辞退を表明して未知子の手術に参加。協議の結果、主任教授選は一旦凍結ということになりました。
一方、オペは不測の事態が起きてピンチに陥りますが、未知子の師匠である神原所長のアドバイスのおかげで事無きを得ました。外科医の矜持として大門の手術に加わるか、蛭間を信じて主任教授への一縷の望みにかけるかで悩む海老名は出遅れて、手術に駆けつけた時にはもう出る幕がありませんでした。
手術は無事成功しました。蛭間は手のひらを返し、契約金5千万・前払いの年俸5千万で未知子を帝都医大の外科の医局員として正式雇用したいと持ちかけてきました。手術の手柄を病院のものにするためのようです。ついに未知子がフリーランスを辞める日が来たかと思われましたが、今回のオペの記者会見で「いたしません」とのメールを蛭間に送り、目の前で去っていきました。記者にオペの執刀医を聞かれた蛭間は、仕方なく目の前にいた海老名を紹介。海老名は主任教授にも就任しました。鷹野は自ら病院を去りましたが、近藤は病院に残りました。近藤は未知子に「僕は組織の中で大きくなってみせます。組織に利用されるんじゃなくて、組織を利用するんです」と宣言しました。
内科統括部長・馬淵一代(三田佳子さん)が毒島と一緒に蛭間の前に現れました。毒島は蛭間の先輩で、しかも馬淵と昔いい仲だったようです。馬淵は「パリの永住権が取れましたから、二度と日本には戻りませんので」と蛭間に報告。続いて毒島は、蛭間のもとに東帝大病院から手紙が来たのを見届けてから、「来ちゃいましたか」と意味深な言葉を残して帰りました。手紙の中身は、理事会にて満場一致で決まったという“解雇”の通知でした。毒島は蛭間の転覆を目論んで今回の手術を仕組んだのかもしれません。
一方、1億円一括振り込みを蹴った未知子は、やはり神原所長の名医紹介所にいました。麻雀に加えてもらえなくて嘆く未知子のもとに、タイの大金持ちの息子の足の怪我を治してほしいという依頼が舞い込みました。未知子がタイに飛んだところ、大金持ちの息子はハムスターでした。「やれるか?」との質問に、未知子は胸を張ってタイ語で「ええ、私失敗しないので」と答えるのでした…。
「組織とか立場とか人間関係とかどうでもいい」と言っていた未知子ですが、今回ばかりは組織の力を利用しました。近藤たちが手術に協力してくれたのも、人間関係があってこそのことだと思います。
近藤に夢を聞かれた未知子が言った「患者さんにとってオペは最後のチャンスだから。そこで一緒に戦い続ける事かな」という言葉が印象的でした。単に手術が好きという理由からだけではなく、患者の気持ちに応えるために手術をする未知子。だからこそあそこまで手術にこだわるのでしょう。気の早い話ですが、続編も楽しみです。