キャプテン・マーベル (ブリー・ラーソン)

brielarson

映画『キャプテン・マーベル』(Captain Marvel)は、マーベル・コミックに登場する女性スーパーヒーローを実写映画化した作品です。“マーベル・シネマティック・ユニバース(=MCU)”シリーズとしては第21作品目の映画となります。
ブリー・ラーソンは、キャプテン・マーベルことキャロル・ダンヴァース/ヴァース役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。以下ネタバレ注意です。
物語は1995年、惑星ハラにいるヴァース(ブリー・ラーソン)が繰り返し見る悪夢に悩まされているところから始まります。実はヴァースは6年前に瀕死の重傷を負っていたところを、クリー帝国の精鋭ソルジャー集団”スターフォース”に拾われました。ヴァースは記憶を失ってしまっていて、現在はスターフォースに所属し、司令官ヨン・ロッグ(ジュード・ロウ)の訓練を受ける日々を送っていました。そんな中、スターフォースは惑星トルファにいるクリー人の諜報員救出の任務に当たります。惑星トルファには宿敵であるスクラル人が現地人に化けて潜伏していました。ヴァースはスクラル人に囚われ、特殊装置によって失った記憶の一部を探査されます。目覚めて乱闘の末に脱出することに成功したヴァースですが、惑星C-53こと「地球」のロサンゼルスのレンタルビデオ店に墜落しました。そこへ通報を受けた戦略国土調停補強配備局(通称『S.H.I.E.L.D.』)のエージェントであるニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)と新米エージェントのフィル・コールソン(クラーク・グレッグ)が駆けつけるのでした…。
MCUでは初の単独女性主人公となるキャプテン・マーベルがついに参入です。過去の記憶を失い、悪夢や記憶の断片のフラッシュバックに悩まされていたヴァースが、のちに最強のヒーローチーム“アベンジャーズ”を組織するフューリーの協力を得ながら、自身の記憶に隠された真実を探し求め、キャプテン・マーベルとして目覚めるまでが描かれていました。
ヴァースの前に最初に立ちはだかるのは、ヴァースの失われた記憶に隠されたある秘密を狙うスクラル人です。彼らは優れた変身能力を持ち、地球では一般人になりすましてヴァースに忍び寄ります。ヴァースの記憶を巡ってスリリングな物語が展開し、サスペンス要素も面白かったです。物語が進んでいくにつれ、戦いもより激しさを増していき、映像も壮大なスケールになっていて見応えがありました。
ヴァースはいわば家族や友人、記憶を失った代償として、規格外の強大な力を得ていました。両腕から強力な光子ビームを放射することもできます。そんなヴァースが困難な状況に陥りながらも、何度でも立ち上がって自身の未来を切り開こうとする姿は胸を打ちました。
出演シーンは少なかったものの、上の命令よりも己の直感に従うコールソンがいい味を出していました。ヴァースことキャロル・ダンヴァースの旧友にして空軍のパイロット仲間であったマリア・ランボー(ラシャーナ・リンチ)、マリアの娘でキャロルのことを慕っていた“お転婆隊長”ことモニカ・ランボー(アキラ・アクバル)、そして実はフューリーの片目喪失に深く関わっている猫のグースも魅力的でした。
本作のオープニング・ロゴの内側にモンタージュ的に映し出されたのはいつものマーベル・ヒーローたちではなく、スタン・リーの様々な姿でした。その後に「THANK YOU, STAN」のメッセージが映し出されてなんだか感動的でした。もちろん本編でも恒例のカメオ出演を果たしていました。
エンドロールの途中に挿入されるいわゆるミッドクレジットシーンでは、来月公開予定の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に繋がる場面が描かれていました。ますます楽しみになりました。