スパイダーマン:スパイダーバース

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映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(原題:Spider-Man:Into the Spider-Verse)は、マーベル・コミックの漫画を原作とする『スパイダーマン』の劇場用としては初となるアニメーション作品です。ピーター・パーカーを主人公としていたこれまでの実写作品とは異なり、本作ではマイルス・モラレスを主人公にしていて、マルチバース(=多宇宙)に存在する複数のスパイダーマンが登場します。
先日、劇場に観に行きました。以下ネタバレ注意です。
スパイダーマンに憧れるブルックリンの高校生マイルス・モラレスは、突然変異した蜘蛛に噛まれて特殊な能力を得ます。そんな矢先、マイルスは、悪者と戦うスパイダーマン(ピーター・パーカー)に遭遇。マイルスを目の当たりにしたピーターは、マイルスが自分と同じように特殊能力を持っているとすぐさま見抜きました。そんな中、ピーターは闇社会を牛耳るキングピンの恐ろしい実験を阻止しようとしますが重傷を負い、マイルスに思いを託して亡くなってしまいました。マイルスはピーターの遺志を継いでキングピンの野望を阻止しようとしますが、未熟ゆえに困難を極めます。そんな彼の前に現れたのは、死んだはずのピーター・パーカーをはじめ、別次元から来たスパイダーマンたちでした…。
別次元のスパイダーマンは、種族や性別、年齢や境遇は異なっていながらも、皆同じように悩みを抱え、ヒーローとして困難な状況に立ち向かい続けます。様々な出自のスパイダーマンたちの活躍を描くことで“生まれなど関係なく、誰でもヒーローになることができる”というテーマを示していて共感を覚えました。マイルスの「誰でもマスクはかぶれる。そのことを僕は君に言いたい」という言葉も印象的でした。マイルスが未熟ながらも運命を受け入れていく姿は、サム・ライミ監督版の『スパイダーマン』シリーズのスピリットを感じましたし、ピーターとMJのキスシーンを彷彿とさせるシチュエーションをはじめ、同シリーズの有名シーンのオマージュがちりばめられていました。ゆがめられた時空を超えて複数の個性的なスパイダーマンが一堂に会し、やがて仲間として協力し合っていくという展開も面白かったです。故スタン・リーの登場シーンもあり、なんだか感慨深かくもありました。
最先端のCGアニメーションと手描きのアニメーションが融合した映像もよかったです。CGならではのリアルな描写に加え、アニメーション独特の技法も取り入れられていて斬新でした。1つのフレームがいくつものコマに分かれたり、アクションの擬音が描き込まれたりと、コミックスを意識した映像もあって、独特な世界観を構築していて素晴らしかったです。

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