シャザム! (ザッカリー・リーヴァイ)

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映画『シャザム!』(Shazam!)は、DCコミックスに登場する同名キャラクターを実写映画化した作品です。“DCエクステンデッド・ユニバース(=DCEU)”シリーズの7作目の映画となります。
ザッカリー・リーヴァイはシャザム役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。以下ネタバレ注意です。
物語は、1974年ニューヨーク州北部を舞台に始まります。父と兄と一緒に車に乗っていた少年サデウス・シヴァナ(イーサン・プギオット)は、魔術師シャザムの後継者候補として突如として異世界の洞窟の宮殿に召喚されます。でも純粋な心を持っていないことを見抜かれて、勇者となる資格がないとして現実世界に戻されました。
そして時は経ち現代。幼い頃に母親と生き別れて孤児となった少年ビリー・バットソン(アッシャー・エンジェル)は、母親を探すために問題行動を度々起こし、里親の家を転々としていました。新たな里親が運営するグループホームに入居することとなったビリーは、そこで足が不自由でヒーローオタクであるフレディ(ジャック・ディラン・グレイザー)、抱き付き癖があってお喋り好きなダーラ(フェイス・ハーマン)、大学進学を控えたしっかり者のメアリー(グレイス・フルトン)、ゲーマーでコンピューターにも精通しているユージーン(イアン・チェン)、筋トレが趣味で無口なペドロ(ジョバン・アルマンド)と出会います。そんな矢先、ビリーは異世界の洞窟の宮殿に召喚され、魔術師シャザムから後継者に指名されて問答無用で謎のパワーを授けられました。
ビリーが「シャザム!」と唱えると、胸に黄色く発光する稲妻の紋章がある赤いスーツと白いフード付きマントを着た大人の姿(ザッカリー・リーヴァイ)に変身し、6つの神々の力(=ソロモン〈SOLOMON〉の知恵、ヘラクレス〈HERCULES〉の剛力、アトラス〈ATLAS〉のスタミナ、ゼウス〈ZEUS〉の万能、アキレス〈ACHILLIES〉の勇気、マーキュリー〈MERCURY〉の神速)を発揮することができるのです。フレディと一緒にシャザムの能力を色々試して楽しむビリーでしたが、やがてその力を奪おうとする敵と戦うはめになります。
本作のヴィランは、物語の冒頭に出てきたサデウスが時を経て壮年となったドクター・シヴァナ(マーク・ストロング)でした。里親の家を転々とするビリーに対し、サデウスには裕福でいわゆる普通の家族がいました。それなのにサデウスの方がヴィランになってしまうというのがなんとも皮肉な展開でした。子どもの頃より父や兄から虐げられて家庭内に居場所がなかったサデウスと、自分を捨てた母親に固執するあまり孤立してしまうビリー。そんな“孤独”という点では共通していた2人の善悪の道を分けたのは、心の清らかさと魂の強さだけではなく、本当の意味での“家族”の存在でしょう。単なるスーパーヒーローものに終わらず、家族の物語が描かれている点も面白かったです。
シャザム(=ビリー)とサデウスはもちろんのこと、フレディをはじめとするグループホームの子どもたちもいい味を出していました。クライマックスで伏線を回収しながら巻き起こる七つの大罪の魔物たちとの戦闘シーンも見応えがありました。ラストでは、DCコミックスのあのスーパーヒーローらしき人物もちらっと登場しましたし、エンドロール中のアニメーションにもDCコミックスのヒーローたちが登場していました。エンドロールの途中には謎の喋る芋虫が登場しました。原作でヴィランとして登場するミスター・マインドのようです。DCEUシリーズの今後の展開も楽しみです。