ブラックペアン 最終回 (内野聖陽さん)

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内野聖陽さんは、TBS系列の毎週日曜夜9時枠にて放送されていた日曜劇場『ブラックペアン』に佐伯清剛 役で出演しました。
一昨日は最終回(第10話)が放送されました。
●あらすじと感想(ネタバレ注意)
渡海征司郎(二宮和也さん)は佐伯清剛教授(内野聖陽さん)の緊急手術を行って救いましたが、それはあくまでも応急処置で完治させるための再手術が必要でした。その手術ができるのは渡海だけで、渡海はその手術を行う条件として“飯沼達次”の居場所を教えるよう再度求めます。しかし佐伯は、3日後に理事長選があるとしてそれを拒みました。
佐伯は渡海を同行させて予定通り東京で行われる外科学会に無理を押して向かいます。佐伯に命じられて世良雅志(竹内涼真さん)が渡海を監視していましたが、渡海は隙をついて東城大学医学部付属病院に戻りました。患者・飯沼達次(山本亨さん)が特別個室にいることを突き止めていたからです。飯沼が昔、東城大で心臓の手術を受けた際にそれを執刀したのは佐伯であると飯沼自身の口から確認を取る渡海。これで佐伯の罪を暴くことができると思った矢先、飯沼の容体が急変しました。
渡海はレントゲンで飯沼の心臓にペアンがあることを確認。この医療過誤を自身の父・一郎(辻萬長さん)は佐伯になすりつけられたのだと確信しました。市民病院で働いていた渡海が、血のにじむような努力をして佐伯に認めてもらって東城大に入り、佐伯の指示にずっと従っていたのは、そのことを暴くためだったのです。
佐伯が執刀したことを証言してもらうためにも飯沼には生きてもらわないと困る渡海は、すべての根源であるペアンを取り出す手術を強行します。事情を知った高階権太(小泉孝太郎さん)や治験コーディネーター・木下香織(加藤綾子さん)、看護師・猫田真里(趣里さん)、そして新人看護師・花房美和(葵わかなさん)も協力。しかしいよいよペアンを摘出しようとする段階で、世良に車椅子を押してもらいながら佐伯がオペ室に入ってきました。黒崎誠一郎(橋本さとしさん)に手配してもらってドクターヘリで駆けつけたのです。
佐伯が理事長選を捨ててまで駆けつけたのは、過去の罪を暴かれるのが怖かったからではなく、患者の命を救うためでした。佐伯は、ペアンを外すと飯沼が死ぬことを熟知していたのです。実際、渡海の腕をもってしても、ペアンを外した飯沼の処置は対応しきれませんでした。そこで急遽、佐伯が処置に当たります。オペをしながら、佐伯は渡海に真実を話し始めました。
渡海の父・一郎が飯沼の心臓手術を行うより前に、佐伯が飯沼の心臓手術を行っていました。その日、近くで起きた大型バスの事故で、何人もの患者が東城大に運ばれてきて、オペ室は満室で人も器材も不十分な状態でした。飯沼の出血はどうやっても止められず、やむを得ず佐伯はペアンを体内に残したまま処置を終えました。その後すぐに佐伯はアフリカでの長期の医療支援へと向かわざるを得なくなりました。そんな折でした。無事に退院させたはずの飯沼が、佐伯の不在中に急患で東城大に運ばれてきたのです。その対応に当たったのが一郎でした。アフリカで飯沼の手術の知らせを聞いた佐伯ですが、電話も通じない状況で時間もなく、急いで一郎に「飯沼さんのペアンを取り出すな。私を信じて」という電報を打ちました。それを読んだ一郎はそのペアンが処置に必要だったことを悟り、ペアンを残したまま飯沼の処置を行って手術を終えました。しかしその術後、一郎が手にしていたレントゲン写真を黒崎が偶然見かけてしまったのです。直ちに医療過誤が指摘され、一郎は非難を浴びました。結局、一郎はそれ以上の反論はせずに自分の執刀ミスだと受け入れて東城大を去って行きました。佐伯は帰国してからそのことを知りました。その時すでに一郎は病に侵されて亡くなっていました。一郎が佐伯宛に遺した手紙には「我が盟友 佐伯清剛へ。何も言わなくていい。医者は患者のことだけを考えろ。人を救え。飯沼さんを救え。君にすべてを託す」と書かれてありました。余命いくばくもないと知っていた一郎は、佐伯を守り医療過誤という不名誉を一身に背負ったままこの世を去ったのです。
そんな事実を渡海に明かした佐伯は、「私はおまえの父親に、渡海一郎先生に生かされたのだ」と言います。事実を公表しなかったのは、患者を助けるためだったとのこと。しかもブラックペアンには深い意味がありました。それは「我々医者は完璧ではない。そのことを決して忘れず、おごることなく日々その腕を研鑽し、本当の医療とは何かを常に問い続ける覚悟の証し」で、いわば自分自身への戒めでありました。そして飯沼に何かあった時のための最終手段でもあったのです。ブラックペアンは特注のカーボン製であり、レントゲンには写らず、火葬されたら一緒に燃えて灰になります。佐伯はそのブラックペアンを飯沼に使うのは、自分が外科医を辞める時だと決めていたのです。
飯沼に対するブラックペアンを使った処置を無事終えた佐伯ですが、大動脈解離を起こして倒れてしまいました。事実を知って放心状態になった渡海は、すでにオペ室をあとにしていました。でも佐伯が倒れたこと、その際に「渡海、そのままでいい。普通でいい。医者は患者のことだけを考えろ。救え、ただ人を救え。おまえにすべてを託す」と言っていたことを知らされて正気に戻りました。それは、渡海の父・一郎が医師として渡海に伝えた言葉でもあったのです。渡海はオペ室に向かい、佐伯の命を救うために再度手術を行います。佐伯がVFを起こした際に、渡海が高階や世良、藤原真琴(神野三鈴さん)たち手術に立ち会う医師と看護師に「こういう時の声届くぞ。声かけてやれ」と伝え、みんなが佐伯に対して必死に呼びかけるシーンが印象的でした。
佐伯は助かりました。術後、渡海は佐伯に頭を下げて病室をあとにしました。そして引きとめようとする世良に米を炊くよう命令して病院を去って行きました。
『日本外科ジャーナル』の編集長・池永英人(加藤浩次さん)が、「外科医の腕にも最新の医療にも限界はある。命を前にしてあまりにも頼りない。だからこそ、その両輪で補い合い、高め合わなければならない。未来の多くの患者を救う最新の研究、目の前で苦しむ患者を救う最高の腕、その二つが欠けてはならない」という佐伯の思い・願いを外科学会で発表してくれたおかげもあって、佐伯は理事長選でスピーチができなかったにもかかわらず、帝華大学病院の西崎啓介教授(市川猿之助さん)に勝ちました。そして日本総合外科学会の理事長に就任した佐伯は、必要な組織改革を行った後、あっさりと理事長職を他の大学の教授に譲り、後進の育成のため医師たちの指導に当たっています。一方、いまだ理事長の椅子を目指す西崎は、新たな研究開発に力を注いでいました。相変わらずインパクトファクターにこだわっているようです。佐伯と西崎の2人の教えを引き継ぐ高階は、佐伯外科のブレーンとして最新医療を取り入れながら研究に力を注いでいます。渡海は手に入れたお金をすべて、医療過誤で苦しむ人々の支援団体に寄付していたようです。治験コーディネーター・木下の情報によると、先日、振込人不明で支援団体に1千万円の入金があったとのこと。どうやら渡海がまたどこかの病院で、ミスをもみ消す代わりに大金をよこすよう要求して手術を代行しているようです。
突っ込みどころは多々ありましたが、テーマがしっかりしていて見応えがありました。登場人物たちも個性があって面白かったです。