- 2013年4月2日
仲間由紀恵さんは、テレビ朝日系列の毎週水曜夜9時枠にて放送されていた連続ドラマ『相棒15』に社美彌子 役で出演しました。
先日は最終回2時間スペシャルで第18話「悪魔の証明」が放送されました。
●導入部のあらすじと感想
警視庁生活安全部サイバーセキュリティ本部専門捜査官・青木年男(浅利陽介さん)が広報課長・社美彌子(仲間由紀恵さん)の私物のパソコンに侵入し、美彌子の娘と思しき少女が映った写真や動画を見つける。
翌日、美彌子は自分のパソコンの異変に気付いて調査を依頼。その結果、侵入の痕跡が発見され、首席監察官・大河内春樹(神保悟志さん)が調査に乗り出す事態となる。
そして真っ先に疑いを掛けられたのは、特命係の冠城亘(反町隆史さん)だった。どうやら美彌子が、ハッキングの心当たりとして亘から届いた怪しげなメールしかないと申告したらしい。亘はメールなど送ってないと主張するが、亘のパソコンを調べたところ、美彌子にメールした痕跡ばかりか、パソコンに侵入した痕跡まで発見されてしまう。
そんな矢先、美彌子に「週刊フォトス」の風間楓子(芦名星さん)と名乗る雑誌記者から取材依頼がある。楓子は、パソコンから流出したと思われる少女の写真を何らかのルートで入手して、そのネタを記事にするつもりのようだ。美彌子は取材を拒否するが、やはりその後、「警視庁美人広報課長は国際派シングルマザーだった!?」という見出しで下世話な記事を書かれてしまう。その結果、亘はその個人情報漏洩の疑いまで掛けられてしまう。
一方、今まで事の成り行きを静観していた杉下右京(水谷豊さん)だったが、雑誌に掲載された少女の写真の背景におかしな点を見つけて調べ出す。そしてその写真はロシア式の正月の1コマではないかという結論を出し、独自に調査に乗り出すのだった…。
右京が調査に乗り出した理由は、2年半前に元内閣情報調査室の室長・天野是清(羽場裕一さん)が起こした連続殺人事件の真相が知りたかったからでした。右京と美彌子が初めて直接接点を持った事件でもあるその連続殺人事件は、ロシアの元スパイのヤロポロク・アレンスキー(ユーリー・B・ブラーフ)の亡命が発端となり、国を裏切ってロシアに情報を流していた4名の日本人に対し天野が私刑を下したというものでした。しかしその時の被害者の一人・下山秀和(五代高之さん)議員の殺害には不可解な点があり、右京は腑に落ちていなかったのです。そして今回の美彌子の騒動をきっかけにして、右京の中である仮説が浮かびました。それは、天野は当時部下だった美彌子の秘密(=ヤロポロクとの関係)を守るために下山議員を殺したのではないかというものです。
今回印象的だったのは、「花の里」での右京と亘の会話です。右京のやり方を批判する亘に対し、右京は「想像が及ばないのならば、黙っていろ!!」と一喝。それに対し亘は「右京さん、あなた、何様だ」と漏らしました。ここまで2人の間に不穏な空気が流れたのは初めてではないでしょうか。
一方、大河内や参事官の中園照生(小野了さん)、そして右京からいいように使われる捜査一課刑事の伊丹憲一(川原和久さん)&芹沢慶二(山中崇史さん)コンビ。不憫でしたが面白かったです。
今回の騒動の肝は、出版社に写真を提供したのは誰かということでした。右京は、意外にも無条件に亘の言葉を信じて亘のことは除外。相棒として認めて信頼しているということでしょうか。その上で思いを巡らせて閃いたのは、美彌子でした。パソコン侵入事件をチャンスと捉えて秘密の解消を図ったのではないかと考えたのです。
右京の推理は的中しました。美彌子が大学時代の友人を通じて、意図的に出版社に写真を提供したのです。警察幹部は美彌子を吊し上げようとしましたが、よってたかって返り討ちにあいました。美彌子は、土壇場で写真の娘はヤロポロクに乱暴されてできた子どもであると明かして、改めて国を裏切ってなどないと主張したのです。警察庁長官官房付・甲斐峯秋(石坂浩二さん)の証言による協力もあり、美彌子は不問に付されることになりました。いわば“悪魔の証明”を利用した格好です。
それにしても言うなれば今回の騒動の発端を作り出したとも言える青木。右京の言うように「いずれ落とし前をつけなければならなくなる」ことでしょう。右京はすべてお見通しのようです。
法務事務次官・日下部彌彦(榎木孝明さん)の「警察は信用できん。警察のみならず巨大な権力組織は、不都合な事実を握りつぶすことなどお手の物だからな」という言葉も印象的でした。