- 2011年1月22日
村上弘明さんは、テレビ朝日系列にて毎週金曜夜9時から放送されていた連続ドラマ『悪党~重犯罪捜査班』に前島隆造 役で出演しました。
一昨日は最終回(第8話)が放送されました。
●あらすじと感想
県知事選に出馬予定だった大物県議会議員の藤堂秀司(春田純一さん)が殺害された事件。藤堂と対立していた再開発反対派の住民代表・大滝常男(中丸新将さん)の家を訪れた柴田安春(鈴木浩介さん)は、家の裏に隠されていた凶器の包丁をすぐさま発見してそのまま大滝を連行しました。暴力的な取調べで自供を促す柴田に疑惑を抱いた富樫正義(高橋克典さん)は、独自の捜査の末、柴田が村雨組に脅され、大滝を犯人に仕立てることに協力していることを突き止めます。富樫は、柴田の悪事を逆手に取り、村雨組壊滅を仕掛けて成功し、村雨組に追われる身となった柴田を海外に逃がす手配をしました。
そんな中、富樫にフリージャーナリストの森川明日香(滝沢沙織さん)から藤堂殺害に関するとっておきのネタがあるという連絡が入りました。富樫が待ち合わせ場所に到着すると、明日香は頭から血を流して瀕死の状態でした。明日香から受け取ったSDメモリーカードには、藤堂と県警警務部長の前島隆造(村上弘明さん)の会話が録音されていて、その内容から富樫たちは前島が藤堂殺しの犯人だと推測します。
そもそも前島は、貧しさゆえに野たれ死にした父親の「チャンピオンになって、みんなが幸せに暮らせる街をつくれ」という言葉を胸に、美しい街づくりを目指していました。そのためにいわば実務部隊として前島の言うところのハイエナである富樫をお金で飼いならし、里中啓一郎(小泉孝太郎さん)にはその調教役をさせるつもりだったのです。そしてバックボーンとして利用するために大物県議会議員の藤堂、警察庁長官官房長の黒沢達矢(石丸謙二郎さん)、与党元幹事長の白川泰作(山田明郷さん)、国交省幹部の土田慎吾(坂西良太さん)たちと手を組んでいました。ところが藤堂は業者と癒着してカジノを誘致しようとしていて、私服を肥やすことを最優先としました。前島はそれが許せず、藤堂の秘書・岩村正則(滝藤賢一さん)に藤堂の殺害を命じたのです。横浜港町警察署刑事課第四係の不正を告発する怪文書がマスコミに送りつけられて騒動になりましたが、それは前島の仕業ではなく、他のメンバーである黒沢たちの仕業でした。岩村を言いくるめて明日香を殺させようとしたのも黒沢たちの仕業です。結局黒沢たちも欲に目がくらんだ人間だったのです。黒沢たちは「君は我々とは違う人間だ」と言い放ち、前島も殺そうとしますが、前島はテーブルの下に隠していた日本刀を取り出して逆に黒沢たちを脅します。そこへ富樫と里中が駆けつけ、里中は「どんなに見かけが美しくても犯罪がなくなるなんてことはない」と言い、富樫は「何の罪もない、ほんの小さな幸せでも守ろうと必死で生きている人たちが犯罪に巻き込まれて苦しんでいるのをほっとくことができない」と言います。そこが前島と富樫の大きな違いだったのかもしれません。前島は富樫に対し、自分の正義を貫き、手を汚し、命を懸けて子悪党を何人捕まえたところで、汚れきり腐りきった社会を根幹から変えることができないから無意味だとし、高い志を持つ自分だけが変えることが出来ると言っていたのです。そこには苦しんでいる人を救いたいという思いはありません。前島は亡き父の言葉通りに正義の味方のおまわりさんになって、みんなの幸せを守るために美しい街づくりを目指していたはずなのに、いつの間にか本来の目的を見失ってしまったようです。「なぜそこまでやる必要がある?」と問いかける前島に、富樫は「刑事なんだよ、俺たち」と答えました。
その後、駆けつけた猪原勇作(デビット伊東さん)に銃刀法違反で逮捕された前島は、連行中に猪原に殺されそうになります。猪原は安定した将来とそれなりの地位と引き換えに、上層部から前島を殺すよう命令されていたのです。それを後からやって来た富樫が救います。口封じで前島の命が狙われるのは想定内だったのでしょう。翌日のニュースでは、逃亡した前島が警察官の発砲を受け、海に転落し、行方不明になっていると伝えていましたが、前島はぴんぴんしていて、ホームレス姿で「おいらはチャンピオン…」と口ずさんでいました。前島が隠し持っていた警察庁幹部や政治家らの不正の証拠品はマスコミに匿名で送られ、検察も動き出すことになりました。恐らくそれも富樫の筋書き通りなのでしょう。
娘ののぞみ(宮武美桜さん)が、富樫が本当の父ではないことを知ってしまい、富樫の親子関係はギクシャクしていましたが、富樫の娘を思う気持ちがのぞみに伝わって修復したようです。このままハッピーエンドかと思いきや、前方から歩いてきた男が富樫をナイフで刺しました。その男は富樫の部下・飯沼玲子(内山理名さん)の元彼・西村和也(敦士さん)で、玲子に自分が捨てられたのは富樫のせいだと逆恨みしての犯行でした。西村はそのまま逃げ去り、富樫は倒れながらも、電話中だったのぞみに「すぐ帰るよ」と答えました。大量の血が流れているものの、救急車を呼ばずに、立ち上がって家に向かって歩き出すくらいですから、命に別状はないのでしょう…。