- 2010年12月5日
フジテレビ系列にて毎週木曜夜10時から放送されていた連続ドラマ『医龍 Team Medical Dragon3』は、一昨日、最終回(第10話)を迎えました。
●あらすじと感想
難易度の高いオペを同時に2つやることになった明真大学付属病院の胸部心臓外科。高瀬清(渡辺いっけいさん)の妻・春香(出口結美子さん)のオペは、朝田龍太郎(坂口憲二さん)、伊集院登(小池徹平さん)、荒瀬門次(阿部サダヲさん)、北川響(初音映莉子さん)たちが、世界的ピアニストのリディア・ナターリア(Asya)のオペは、加藤晶(稲森いずみさん)と北洋病院から呼ばれた外山誠二(高橋一生さん)、野村博人(中村靖日さん)たちが行うことになりました。
屋上で倒れていた黒木慶次郎(遠藤憲一さん)は、荒瀬に発見され病室に運ばれ、意識を取り戻しましたが、歩行も困難なほど病状が芳しくないようです。
2つのオペは順調に進みましたが、車椅子で明真を訪れた高瀬の娘・恵(菅野莉央さん)が、肺塞栓で突然倒れてしまいました。緊急オペが必要ですが、それには人工心肺が必要不可欠。しかし明真にある2台ともオペで使用中で、他の病院から借りるのも恵を他の病院へ移動させるのも時間的に無理という状況に陥りました。
そんな状況を知った朝田は、春香の人工心肺を一度外し、30分という短い時間で恵の処置をして、再び春香に戻すというオペを提案。恵が心室細動(VF)になって人工心肺がつけられないという危機的状況になりましたが、黒木が現れて、心臓マッサージで体が揺れている恵にカテーテルで人工心肺の装着をするという離れ業をやってのけることによって解決しました。ところがピンチは再び訪れます。恵の血栓が左肺動脈にまで広がっていたのです。一刻を争う中、このまま2人の処置をしていては、両方の命を落としてしまうことになりかねません。そこで朝田は人工心肺1台を2人で使う処置を提案。それは明らかに医療倫理違反になるオペで、そこにいる全員の医師免許剥奪もあり得るそうです。見学室にいる野口賢雄(岸部一徳さん)も責任を問われることを恐れて怒って止めます。黒木は自分のアイデアと指示で全責任は自分が取ると宣言し、その処置に必要な優秀な臨床工学技士(ME)として、かつての同僚・高瀬清を連れてきました。連れてくる途中、大スキャンダルだと騒ぐ野口に阻まれましたが、鬼頭笙子(夏木マリさん)がその場を収め通してくれました。鬼頭は、現場の朝田たちの情熱を目の当たりにして、目の前の患者を救うという原点に立ち返ったようです。自分の妻と娘を助けるために高瀬も奮闘し、最高のチームにより3つの生命は救われました。
オペ終了後、カテーテル室でひっそりと倒れている黒木を朝田が見つけました。息も絶え絶えに自分もチームに入れてほしいと頼む黒木に、朝田は「何を言ってる。お前はとっくにチームの一員だ。俺たちの仲間だよ」と言います。黒木は朝田に感謝の気持ちを伝えて息絶えました。
鬼頭との取引もあり、自ら後進に道を譲るという形で明真を勇退した野口は、医療評論家に転身していました。またどこかの理事にでも収まる可能性が高いようです。
鬼頭は、自らの学長としての方針に間違いはなかったが、完全に白衣を脱ぎきれていなかったと朝田に告白。朝田の「またメスを握るのか?」との質問には答えず、微笑みを残して去って行く鬼頭でしたが、その後どうやらどこかで医師として医療の現場に復帰したようです。
新学長の方針で北洋と連携した明真は、再び活気が戻ってきたようです。朝田はもう自分がいる必要はないと判断し、再び明真を出て行きました。朝田が向かった先は、婚約者の墓と隣り合わせにある黒木の墓でした。墓に花を添えた朝田は「また見せてやるよ。最高のチームを」と語りかけ、旅立ちました。荒野を歩く朝田が向かうその先は、恐らく戦地なのでしょう。
前シリーズで主要メンバーだった里原ミキ(水川あさみさん)や霧島軍司(北村一輝さん)が登場しなかったのは残念でしたが、今回のシリーズも面白かったです。新人研修医の真柄冬実(谷村美月さん)や、加藤がアメリカからチームに招いた北川響の扱い方に物足りなさを感じましたが、失敗以来オペに怯えているように見えた冬実が、今回、研修が終わってもずっと明真にいると言うまでに成長していて安心しました。それも最高のチームで働くことができたおかげでしょう。
朝田は黒木の墓前に語りかけた通り、また最高のチームを見せてくれるのでしょうか。その時は連続ドラマではなくスペシャルドラマでもありだなとふと思いました。