容疑者Xの献身 (福山雅治さん & 堤真一さん)

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テレビドラマ『ガリレオ』の劇場版『容疑者Xの献身』に、福山雅治さんは湯川学 役で、堤真一さんは石神哲哉 役で出演しています。
先日、仕事の合間をぬって、ようやく映画館に観に行くことができました。
●導入部のあらすじと感想
全裸の男性が死体で発見された。死因は絞殺。死体は顔をつぶされ、指まで焼かれていたが、近くに乗り捨ててあった自転車の指紋等から、身元は無職・富樫慎二(長塚圭史さん)であると判明。容疑者にあがったのは、富樫の別れた妻・花岡靖子(松雪泰子さん)だった。しかし、犯行が行われたと思われる時刻、美しき容疑者・靖子は、娘・美里(金澤美穂さん)と一緒に日比谷で映画を観ていて、裏も取れた。
靖子の完璧なアリバイに疑問を感じた刑事の草薙俊平(北村一輝さん)と内海薫(柴咲コウさん)は、天才物理学者・湯川学(福山雅治さん)に捜査協力を依頼する。
そして、湯川は運命的な再会を果たす。それは湯川が唯一天才と認めた男・石神哲哉(堤真一さん)だ。石神は靖子の隣人で、高校の数学教師である。かつて唯一理解し合うことができた親友との17年ぶりの再会を喜び、石神の天才ぶりは健在であることを確認した湯川だったが、自分の容姿を気にする石神の様子から、石神が恋をしていることに気付く。
やがて、石神が犯行に絡んでいると推理した湯川は、苦悩しながらも、独自に解明に乗り出していくのだった…。
“天才物理学者 VS 天才数学者”という触れ込みでしたが、事件のトリックそのものは、それほど複雑なものではなく、私のような文系の人にも容易に理解できるものでした。実は私自身、ホームレスの持ち物と見られる荷物がきちんとまとめられた状態でぽつんと置かれたままである映像が流れた時点で、アリバイのトリックがほとんど分かってしまいました。その時は正直言って、がっかりしてしまったんですが、続きを観て行くうちに、この映画の見どころは、なにも天才数学者・石神が仕掛けた難問を解くことだけではないことが分かり、作品のタイトルの“献身”という名に隠された事件の真相が分かった時は、とても感動しました。数学に関するもの以外に興味を持たなかった石神が靖子に恋心を抱き、やがて多大なる犠牲を払って靖子を救おうとする。しかし、それは単なる恋愛感情からだけではなく、まさに「石神は花岡靖子によって生かされていた」点にあったというのが驚きました。
テレビドラマシリーズも含めて、これほどまでに湯川が“愛”という名の非論理的な事象に向き合ったことは今までなかったのではないでしょうか。親友のために苦悩し葛藤する湯川も印象的でした。