- 2009年12月22日
映画『阪急電車 片道15分の奇跡』は、有川浩さんの小説(連作短編集)『阪急電車』を映画化した作品です。
中谷美紀さんは高瀬翔子 役で、戸田恵梨香さんは森岡ミサ 役で出演しています。
昨日、劇場に観に行きました。
●概要と感想
片道わずか15分のローカル線・阪急今津線を舞台に、偶然同じ電車に乗り合わせた乗客たちのふれあいを描いた心温まる群像劇です。
会社の後輩に婚約者を寝取られたOL・高瀬翔子(中谷美紀さん)、彼氏からDVを受けている大学生・森岡ミサ(戸田恵梨香さん)、息子夫婦とあまり上手くいってない老婦人・萩原時江(宮本信子さん)、PTAのセレブ気取りの奥様グループに嫌々付き合っている主婦・伊藤康江(南果歩さん)、地方出身で周りに馴染めない軍事オタクの大学生・小坂圭一(勝地涼さん)、地方から出てきた人見知りの大学生・権田原美帆(谷村美月さん)、大学受験を控えている高校生・門田悦子(有村架純さん)、仲間外れにされている小学生・樋口翔子(高須瑠香さん)など、さまざまな事情で悩みや不安を抱えている人たちが登場します。そんな人たちが、偶然居合わせた電車やホームでいろいろな形で勇気をもらったり、与えたりして、前を向いて歩き出します。人と人との繋がり、絆、人を思いやる心の大切さをあらためて感じました。
私もそうなりがちですが、日々の生活に追われて、周りの景色を見る余裕がなかったり、生きていくことだけで精一杯という方もいらっしゃることでしょう。でも、日常の何気ない景色の中に、あるいは周りの人との何気ない交わりの中にも、喜びや幸せを見出すことはできるものです。自分の今いる場所の景色が好ましくない場合でも、勇気を持って踏み出せば、いつもとは違う好きな景色に変えていくこともできるかもしれません。そんなことも感じさせてくれる素晴らしい映画でした。
余談ですが、映画では原作にある征史とユキのエピソードが省かれています。映画のエンドロールのところでちらっと出た“生”の字のオブジェがそのエピソードに関係しています。これは『阪急電車~片道15分の奇跡~ 征史とユキの物語』というスピンオフドラマになっていて、au LISMOチャンネルにて配信され、関西テレビでは深夜に放送されたそうです。私の携帯はauなので鑑賞することができました。1話約5分で全5話ありました。征史は永井大さん、ユキは白石美帆さんが演じていて、こちらも原作同様に心温まるお話でした。