相棒-劇場版III- (水谷豊さん)

mizutani05
映画『相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』は、テレビ朝日系の刑事ドラマシリーズ『相棒』の劇場版第3作です。
水谷豊さんは杉下右京 役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
八丈島から船で40分ぐらいの通称・鳳凰島で、男性が馬に蹴り殺されるという事故が発生する。その矢先、杉下右京(水谷豊さん)とその相棒であるカイトこと甲斐享(成宮寛貴さん)が所属する特命係のもとに珍しい客が訪れる。それは警察庁長官官房付の神戸尊(及川光博さん)だ。彼は以前、特命係で右京の相棒だった人物だ。彼の用件は鳳凰島に関係することだった。鳳凰島では、島の所有者であり防衛大学出身で若狭産業社長の若狭道彦(宅麻伸さん)がスポンサーとなり、防衛大臣政務官の栗山朔太郎(吉田鋼太郎さん)参議院議員の支援のもと、神室司(伊原剛志さん)たち陸上自衛隊OBが民間の国防部隊を旗揚げして合宿生活を送っている。今回事故で亡くなった元自衛官の岩代純也(瀬川亮さん)は、正式メンバーではなく若狭産業の社員だが、即応予備自衛官と呼ばれる官職についていて、特別に長期訓練に参加していた。本題はその事故の方ではなく、島で密かに非合法兵器である生物兵器を作っているという物騒な噂だ。公安部の監視対象になってはいるものの、場所が場所だけに簡単に調べることができず、しかも警察にとっては因縁深き自衛隊が絡んでいるので、おいそれとは手出しができずにいる案件だ。そこで特命係には、今回起きた事故を上陸の口実にして、噂の真相を探ってほしいというものだった。それは尊の上司であり、享の父でもある警察庁次長の甲斐峯秋(石坂浩二さん)の要請だった。尊は「杉下さんの判断に任せます」と言いながらも、ちゃっかり八丈島行きの航空券2枚を置いていく。甲斐次長たちの思惑に乗せられるのが腹立たしい右京と享。しかし右京は興味の方が上回り、結局島へ向かうことにし、享も仕方なくついていくことになった。
八丈島警察署の巡査部長・桂浜泰三(六平直政さん)の案内で鳳凰島に上陸した右京と亨は、まさに招かれざる客といった扱いで、神室や高野志摩子(釈由美子さん)たちから警戒の目を向けられる。しかし右京はそんな視線など気にする様子もなく、興味深げに現場検証をおこなう。事故の検証はあくまでもフリで、生物兵器の捜索が本来の目的のはずだったが、蹄鉄や馬糞のことが気になった右京は、事故ではなく殺人事件ではないかと疑念を抱くのだった…。

本作のテーマは“国防”です。エンターテインメントでありながら、社会派ドラマとしても定評のある『相棒』シリーズだからこそ扱えたテーマだと思います。
今回は東京から300キロも離れた孤島が舞台です。いつもとは違う過酷な自然の中で“相棒ワールド”が展開されていて新鮮でした。
シリーズファンにとっては、やはり神戸尊の登場が見逃せません。今回は電話とかではなく、きちんと右京の目の前に現れました。甲斐亨もいて、右京のそばで新旧相棒がスクリーンの中で肩を並べるシーンが見れて嬉しかったです。また、本作では“トリオ・ザ・捜一”も登場しました。そう、伊丹憲一(川原和久さん)、芹沢慶二(山中崇史さん)はもちろんのこと、三浦信輔(大谷亮介さん)も登場したのです。シリーズファンの人はご存知のように、三浦はテレビドラマseason12の第1話で捜査中に負傷して重度の後遺症が残ってしまい、警視庁を依願退職しました。ですから時系列的には本作はseason12より前の出来事ということでしょう。久しぶりに3人揃った姿が見れてよかったです。
島では紅一点の高野志摩子。男勝りのアクションをこなしながらも女性としての色気もあって、なかなかの存在感を発揮していました。足の故障のため自衛隊を退官した民兵リーダーの神室司。存在感こそありましたが、彼の主張にはどうにも説得力がなく、時間の都合上しょうがなかったのでしょうけど、もう少し彼の考え方がそうなるに至った背景を描いてほしかったです。演出上そうしたのかもしれませんが、ラストの方で神室と右京が対峙した際、神室の主張は詭弁で自己を正当化しているようにしか見えず、せっかくの問題提起が弱くなっているように感じました。まあ、だからこそ右京たちを「平和ボケ」呼ばわりする神室に対して右京が言い返した「国防という名の流行病」の正当性が高まっているので、それが『相棒』としての結論という意味合いもあるのでしょう。命のやり取りによって保たれる平和には大きな矛盾があるという点などいろいろと考えさせられました。またそんな問題に対して何の根拠もなく「たぶん出口ありますよ」と言えてしまう亨の純粋でまっすぐな考え方は、若さゆえの青さとともに、希望も抱かせてくれて悪くないと思います。私も右京同様に「そう信じたいですね」と切に思いました。

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