- 2017年10月5日
映画『高台家の人々』は、森本梢子さんの同名漫画を実写化した作品です。
綾瀬はるかさんは平野木絵 役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
地味で平凡なOL・平野木絵(綾瀬はるかさん)が、風邪で会社を5日間休んで久しぶりに出社すると社内の空気が違っていた。それは、どうやら名家“高台家”の長男・光正(斎藤工さん)がニューヨーク支社から転勤してきたからのようだ。光正は祖母がイギリス人であることから目が青く、長身でイケメン、東大卒、オックスフォードに留学経験もあるエリートだ。
ある日、木絵は、話したこともないのにいきなり光正から名前で呼び止められ、しかも食事に誘われる。戸惑いつつも次第にその関係は深くなっていく。
木絵は何かにつけてすぐ空想する癖がある。普段はクールな光正だが、その空想に反応して笑顔を見せる。そう光正は人の心を読むことができる“テレパス”だったのだ。光正のテレパシー能力は、イギリス貴族出身の祖母・アン(シャーロット・ケイト・フォックス)譲りのものだ。光正の妹・茂子(水原希子さん)、弟・和正( 間宮祥太朗さん)もテレパスだが、父・マサオこと茂正Jr.(市村正親さん)と母・由布子(大地真央さん)はテレパシー能力を持っていない。いわゆる隔世遺伝のようだ。心が読めるがゆえに人間関係に辟易していた光正だが、木絵だけは特別だった。木絵の奇想天外な妄想や純粋で温かい心の声に癒された。
順調に交際して婚約の話まで出る光正と木絵だったが、高台家という名門の壁が立ちはだかる。光正の母・由布子が、木絵の教養や品格は高台家にふさわしくないとして反対するのだった…。
なんといってもやはり木絵の妄想シーンが面白かったです。王族、ゾンビ、ドラキュラ、大正時代の人々が登場したりと妄想ごとにジャンルや舞台が違っていてバラエティ豊かで楽しかったです。そして、木絵の上司である課長・脇田実 役も演じている塚地武雅さんが、様々なキャラクターで妄想世界に登場。ドダリー卿、謎の妖精、水泳コーチのイヤン=ヤッケ、麻薬売人、親方、神父など、どれも個性的な風貌でインパクトがありました。
自分の世界観を持っていて心優しい木絵、テレパスゆえに慎重な性格の光正、見かけによらず臆病な性格の茂子、ひねくれ者でちょっといじわるな和正、人一倍鈍感で空気を読まない性格の茂正Jr.、自分の信念を強く持っていて思ったことをすぐ口に出す分かりやすい性格の由布子など、一人ひとりのキャラクターも魅力的でした。
子どもの頃から自分の気持ちを相手に伝えるのが苦手で一人でいることが多かった木絵。彼女は、妄想の中でしか光正に対して「好きです。大好きです」と大声で言えませんでした。そんな木絵が物語のラストで妄想ではなく実際に大声で告げるところも良かったです。
また、木絵と光正の関係に後押しされるように、茂子や和正がそれぞれ意中の相手に対して行動を起こそうとするところも良かったです。