重版出来! (オダギリジョーさん)

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オダギリジョーさんは、TBS系列の毎週火曜夜10時枠にて放送されている連続ドラマ『重版出来!』に五百旗頭敬 役で出演しています。
昨日は第9話が放送されました。
●導入部のあらすじと感想
またもや漫画家・高畑一寸(滝藤賢一さん)の原稿が遅延。例のごとく“かまってちゃん”な恋人・梨音(最上もがさん)が家出をして振り回されたからだ。黒沢心(黒木華さん)が梨音を連れ戻し、製版所に頭を下げ、どうにか原稿を落とさずに済んだ。心は、五百旗頭敬(オダギリジョーさん)から、担当編集者として高畑にきちんと注意をした方が良いと指摘される。
ある日、五百旗頭は、高畑がライバル誌「エンペラー」副編集長・見坊我無(明和電機さん)と会っているところを目撃する。思わず2人の後をつけて店内で様子を伺うが、何も見えず会話も聞こえない。五百旗頭は「エンペラー」からの引き抜きであると察しがついていたが、どうするべきか悩んでいた。そんな矢先、後から高畑に会いに来た梨音に見つけられて声をかけられ、高畑、見坊に後をつけていたことがばれてしまう。
一方、心は、連載の企画決定会議に向けて、自身が担当する中田伯(永山絢斗さん)の作品「ピーヴ遷移」の企画書作りに本腰を入れていた。編集長・和田靖樹(松重豊さん)から納得してもらえるものを仕上げるべく、中田と共にネームや登場人物の打ち合わせをする。懸念していたネームの停滞は、漫画家・三蔵山龍(小日向文世さん)が心に助言していたように乗り越えることができていた中田だが、女性キャラクターだけはどうしてもイメージできず頭を抱えているのだった…。
企画書作りに苦戦する心に対して五百旗頭が言った「担当者がしっかり分かってないと一緒に走れないぞ。伴走者になれないうちは、おまえはただの読者だ」という言葉が印象的でした。
中田は子どもの頃、部屋で鎖につながれていたことがあるようです。幸いと言っていいのかすぐに祖父母に預けられて、現在両親がどこにいるのか知らないし知りたくもないとのこと。三蔵山からそんな話を聞いた心は、中田が自分を守るために必死で強い恐怖心と戦っているのだと気付きました。
以前、五百旗頭が担当していた作家の連載が、人事異動で来た新しい編集長により突然却下されたことがありました。作家は企画ごとライバル誌「エンペラー」に移ると言い出し、その際、作品に対して絶対の自信を持っていた五百旗頭は、作家と作品のために断腸の思いで止めることなく送り出しました。しかし、見坊の話によると、五百旗頭のその思いは作家に伝わっていなかったようです。その作家は五百旗頭に裏切られたと話していたとのことです。別れた妻にも「あなたはいつも理性的でそれが悲しい」と言われたことがある五百旗頭。そんな彼が柄にもなく取り乱しました。梨音から高畑の深い『ツノひめさま』愛を聞かされた五百旗頭は、高畑と見坊の打ち合わせに割って入り、「俺も好きです。大好きです。…『ツノひめ』が好きです」と高畑に伝えました。前回の失敗を教訓に思い残すことがないよう自分の思いを作家に伝えたのです。五百旗頭が高畑に愛の告白をしたという誤解を招きかねないシチュエーションだったのが面白かったです。高畑は「エンペラー」行きを元々断ることに決めていました。「エンペラー」用のネームに取り組んだはずなのに『ツノひめさま』のネームになってしまい、自身の『ツノひめさま』愛を痛感したからです。
一方、中田は興都館でたまたま漫画家の娘・アユ(蒔田彩珠さん)と出会い、女性キャラクターのイメージが固まりました。そして連載用のネームも無事描き上げました。連載の企画決定会議にて心も奮闘。三蔵山からの話で中田のことを以前より理解した心は、「ピーヴ遷移」の世界観を的確かつ熱く説明しました。高畑の件でもファンの人が納得のいく最終回を作ろうと、担当編集者としての意見が言えるようになった心。ようやく彼女は、ただの“読者”から五百旗頭が言うところの“伴走者”になることができたようです。
そしてついに中田の「ピーヴ遷移」の連載が決定しました。その報告を受けた中田が泣きながら「生きててよかった。生まれてきてよかった」と言っていたのが印象的でした。なんだか中田の壮絶な生い立ちが窺われました。
次回は最終話です。連載作家となった中田がどのようになるのか、そして心がどのようにサポートしていくのかが気になります。