重版出来! (安田顕さん)

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安田顕さんは、TBS系列の毎週火曜夜10時枠にて放送されている連続ドラマ『重版出来!』に安井昇 役で出演しています。
昨日は第6話が放送されました。
●導入部のあらすじと感想
東江絹(高月彩良さん)は、編集者・安井昇(安田顕さん)から一方的な事情で原稿の大幅修正を強いられる。それを知った黒沢心(黒木華さん)は東江のことを心配するが、担当ではないため何もすることができず歯がゆさばかりが募る。
そんなある日、心は東江から電話で原稿の相談を持ちかけられる。安井は平日18時半以降と休日は対応しないからだ。心は東江に直接会って励ますが、簡単なことも相談できない2人の関係が気になる。東江は涙まで流していたのだ。
休み明け、心はついに安井に抗議をする。東江さんのことを潰す気か、東江さんは道具ではないと主張するものの、安井から完全に無視される。
安井は、新人ツブシと呼ばれてはいても、担当したすべての作品をそれなりにヒットさせている。しかし、担当した作家は、今では他誌で描いていたり、同人誌に戻っていたり、漫画を描くこと自体やめてしまったりと、ほとんどの人がいなくなってしまっている。
そんな中、いよいよ心が担当する中田伯(永山絢斗さん)の漫画家デビューとなる「バイブス」最新号が発売された。奇しくも人気小説のコミカライズ作画でデビューする東江と同じ号だ。バイブス新人賞受賞作として掲載された中田の「ピーヴ遷移」は画力の問題もあって賛否両論。東江の「ガールの法則」は概ね好評のようだ。
中田は、雑誌に掲載されたことで、他の人の漫画と見比べてようやく自分の絵が下手であると自覚。心に相談し、画力向上のために三蔵山龍(小日向文世さん)のもとで正式にアシスタントとして働くこととなった。
一方、東江は作品の出来が気になって、これでよかったのかと安井に問いかけるが、安井は「あなた個人のこだわりなんてどうでもいいんです。世間の評判は上々。それで十分でしょ」と言って突き放すのだった…。
今回は“正しい編集者とは何なのか”が主なテーマでした。
今や“ツブシの安井”と言われる安井ですが、昔は熱心な編集者でした。現「バイブス」編集長・和田靖樹(松重豊さん)が副編集長を務めた「コミックFLOW」の編集者だった安井は、漫画家・加藤了(横田栄司さん)の担当でした。加藤は他誌で連載していましたが、惚れ込んだ安井が加藤の仕事場に2年もの間通い詰めてサポートして口説き落としたのです。ところが「コミックFLOW」は売り上げが伸びず廃刊。当時の安井は、漫画家が必死で描いて編集者がそれに応え、本気でぶつかり合い、高め合って作品を生み出していくものと考えていました。しかし、どれだけ素晴らしいものをつくっても、会社が評価するのは数字だけなのだと思い知らされたのです。しかも、廃刊を阻止しようと安井が奔走している間に、加藤は他社から廃刊の噂を知らされます。結局、廃刊は決定し、加藤は「バイブス」で連載を続けることになりましたが、廃刊を知らされてなかったことに激怒して安井を担当から外しました。加藤からは「会社に守られ、何のリスクも取らない…」と罵られていた安井ですが、昼夜土日を問わず仕事に明け暮れて家庭を顧みなかったことから、妻から離婚届を突きつけられる事態になってしまいました。それから「バイブス」へ移った安井は数字優先のスタイルに変え、仕事より家族を優先するようになりました。そんな安井の「“理想”だけで仕事ができる人は、この世にどれだけいるのだろう。いい作品をつくることだけに向き合えるのなら、どれだけ幸せだろう」という言葉が印象的でした。
単行本の売り上げが好調の東江ですが、安井から持ちかけられた次なる新しい仕事は断りました。「自分は何のために描いて、どうして漫画家になりたかったのか」とずっと考えていた東江は、漫画が大好きだという原点に立ち返り、大好きな漫画で道具にされたくないと思って決断したのです。東江は、大学卒業してバイトしながらでも自分の漫画を描くので、その時にもう一度漫画を見てほしいと心に頼みました。心は「もちろんです。喜んで」と笑顔で答えました。
和田編集長は安井に「いつもありがとな。おまえが確実に稼いでくれるおかげで、他の作品で冒険できる。勝負するところで勝負できてんだ」と言い、それに対して安井は「給料分の仕事をしてるだけです」と答えました。なんだか途端に安井がカッコよく見えました。菊地文則(永岡佑さん)、壬生平太(荒川良々さん)、五百旗頭敬(オダギリジョーさん)、そして心が目指す、編集者と漫画家が二人三脚で一からつくるやり方は理想的ではありますが、必ずしもヒットするとは限りませんし、会社として利益が出るようになるには時間がかかる場合もあります。そこで即効性のある安井のやり方が雑誌を支えることになるのです。その陰で安井と、ともすると潰れることとなる新人漫画家の犠牲があることを考えるとなんとも複雑な気持ちになります。
安井には、密かに本音をつぶやく裏アカウント「編集者残酷物語」がありましたが、心にその存在を知られてしまったことから、見られる前に削除しました。ちなみにこのアカウントは実際にTwitterに存在していましたが、ドラマ中でアカウントが削除されると、Twitter上のアカウントも削除されました。なんとも面白い試みです。
次回は、中田とチーフアシスタントの沼田渡(ムロツヨシさん)絡みで一悶着ありそうです。今後の展開も気になります。