重版出来! (荒川良々さん)

arakawayoshiyoshi

荒川良々さんは、TBS系列の毎週火曜夜10時枠にて放送されている連続ドラマ『重版出来!』に壬生平太 役で出演しています。
先日は第3話が放送されました。
●導入部のあらすじと感想
黒沢心(黒木華さん)は、週刊バイブスの看板漫画「ツノひめさま」の担当編集者になった。アオリ(=作品の最後に載せる短い文章)を百本も考えて副編集長・五百旗頭敬(オダギリジョーさん)に見せたが、全部ボツにされてしまう。五百旗頭からは「アオリはさ、俺たち編集者から作家へのメッセージでもあるんだよ」と言われる。その様子を見た壬生平太(荒川良々さん)は、編集の世界はスポ根魂だけではやっていけないと心に言う。すると心は「壬生さんの編集道 聞きたいです!是非に!」と、食い気味に壬生に迫る。
過去3カ月分の読者アンケートを読んだと話す心に、壬生は「俺たちはな、読者にこびを売ったりせず、漫画家と二人三脚でひたすらいいもん作りゃあいいんだよ。さすれば結果はついてくる」と助言。しかし、読者アンケートの結果を受け、壬生が担当している漫画界一のイケメン漫画家・成田メロンヌ(要潤さん)の連載打ち切りが決定していた。壬生が成田のご機嫌とりをするために接待して激励の言葉をかけたり、新しい企画を提案するものの、成田は苛立ちを募らせるばかり。壬生の努力もむなしく、成田は漫画家を辞めるとまで言い出す。
一方、心が担当する漫画の作者・高畑一寸(滝藤賢一さん)は、彼女・梨音(最上もがさん)が家出をし、必死で探していたために原稿の完成が遅れていた。何とか綱渡りで原稿は間に合ったものの、続けて作業に入った次回の話のネームの出来がイマイチだった。「編集者として先生の一番の理解者になりたい」と張り切る心は、高畑の考えに従ってネームを通そうとするが、五百旗頭から“自分たちの給料は読者からもらっているんだ”と諭され、「読者の喜びのために作品を最も高いクオリティにまで引き上げる。おまえがそれしないんだったら何のためにここにいるんだよ」と叱られるのだった…。
心は、高畑にネームを描き直してもらうために、五百旗頭の言葉を思い出して、アオリにメッセージを込めました。それは「ああ弱い……弱い弱い…… どこかに強い男はおらぬかえ……」というものでした。アオリを読んだ高畑は怒って奮起しました。描き直したネームは、心も満足のいくもので、最後に「どうだ驚いたか!読者第一号!」という高畑からのメッセージが添えられていました。
一方、壬生は、かつて自分自身が熱烈な読者であったことを思い出し、読者を軽視していたことを猛省します。それから成田に読者の感想を伝えて、味方である読者をもっと増やして今度こそ当てましょうと励ましました。その際に壬生が心の中で決意した「二人三脚してるつもりだった。理解して寄り添ってたつもりが一人で溺れさせてた。俺にとって漫画がしょぼい現実から救ってくれる“浮輪”だったように、漫画家には“読者”っていう浮輪が必要なんだ。その浮輪をつなぐのが俺の仕事。二度と溺れさせちゃいけない。成田さんのためにも、作品を待っている読者のためにも」という言葉が印象的でした。壬生のそんな思いが届いて成田は立ち直ったようです。
今回は、心と壬生のエピソードを通じて「編集者というのは、読者第一号であると同時に、作家と読者の間をつなぐ架け橋である」ということが心に響きました。
次回は“新人発掘”にスポットが当てられるようです。新人作家を次々とヒットさせている安井昇(安田顕さん)と新人編集者の心がどのように関わっていくのか気になります。