重版出来! (小日向文世さん)

kohinatafumiyo03

小日向文世さんは、TBS系列の毎週火曜夜10時枠にて放送されている連続ドラマ『重版出来!』に三蔵山龍 役で出演しています。
一昨日は第7話が放送されました。
●導入部のあらすじと感想
黒沢心(黒木華さん)が担当する中田伯(永山絢斗さん)が、バイブスの看板漫画家の三蔵山龍(小日向文世さん)のもとでレギュラーアシスタントとして働き始めて1カ月。中田は相変わらず絵が下手で仕事の覚えも悪い。三蔵山のもとで長年働いているチーフアシスタントの沼田渡(ムロツヨシさん)は、それでもおおらかに対応して面倒を見ていた。しかし、三蔵山も一目置く中田の才能に、沼田は徐々に嫉妬心を募らせていく。
アイデアが溢れ出る中田は、連載用のネームを何冊も描き溜めて心に渡す。ひょんなことから中田のネームを盗み見た沼田は、その凄さに圧倒されてインクをぶちまけてしまった挙句に隠してしまう。
一方、心は編集長・和田靖樹(松重豊さん)から漫画家・牛露田獏(康すおんさん)の名作『タイムマシンにお願い』の電子書籍化の担当を命ぜられる。牛露田は一世を風靡した天才漫画家であるが、現在は描いていないとのこと。心は和田と一緒に電子書籍化の使用許諾をもらいに牛露田宅に出向く。三蔵山の目撃談によると昔は高級クラブで札束をばらまくほど裕福だった牛露田だが、心たちが目にした現在の姿にはその面影はなかった。株やら何やら失敗して次のヒットもないまま食いつぶしたらしい。生活保護を受けながら娘のアユ(蒔田彩珠さん)と2人でアパート暮らしをしていて、妻はすでに他界。酒浸りの毎日で娘から愛想を尽かされている牛露田は、いまだに大御所気取りで、使用許諾を頑なに拒否する。
中田のネームノートが見つからないとして騒ぎになる中、三蔵山は沼田の様子がおかしいことに気づいていた。仕事場で沼田と2人きりになった三蔵山はネームノートの所在を問い、自分の方から何か理由をつけて返しておくと言うのだった…。
三蔵山が沼田に忠告した「作品をつくるということは、自分の心の中をのぞき続けるということだ。どんなに醜くても情けなくても、向き合わなくてはならない」という言葉が印象的でした。
複雑な家庭環境で育った中田は、自分に正直で他のことなどお構いなしで、他人を理解する力がないゆえに自由で残酷です。でも漫画作品の本質を見抜く感性があり、今まで誰も読み取ることができなかった沼田のネーム作品の本質を唯一理解し、感動して涙まで流しました。そのこともあって沼田は色々と吹っ切れ、自分と向き合いました。そして出した答えは漫画をやめることでした。アシスタントを辞めて実家に戻り、家業の酒屋を継ぐことにしたのです。沼田が三蔵山にその報告をする際に話した「夢を追いかけてる自分は他の人とは違う。そう思いたかったんです。漫画家を目指してる間は特別でいられた。特別な人間でいたかったんです」という言葉も印象的でした。
心の「うまくいく人といかない人の分かれ目って何なんでしょう?」との問いに、五百旗頭敬(オダギリジョーさん)は「たとえ合わない相手(=編集者)だとしても、作家が自分で乗り越えなきゃいけない壁がある。…まあ編集者が手を出せない部分だな。俺たちができることは手助けすることだけ。あんまり過保護にしても伸びしろなくすしな」と答えました。
『タイムマシンにお願い』の電子書籍化の許諾交渉の行方、中田の連載への道がどうなるのかが気になるところです。