ロス:タイム:ライフ (大泉洋さん)

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大泉洋さんは、毎週土曜夜11時10分フジテレビ系列にて放送されている土曜ドラマ『ロス:タイム:ライフ』の第9節に三浦謙太郎 役で出演しました。
先週はその第9節「ひきこもり編」が放送されました。
●あらすじと感想
三浦謙太郎(大泉洋さん)は、医師を目指し大学受験をしたが失敗して、それ以来部屋に引きこもっていた。ある朝、母・智恵子(田島令子さん)が用意した磯辺巻きを食べて、それを喉に詰ませてしまい窒息死してしまう。
12時間のロスタイムが与えられたかに見えた謙太郎であったが、その時間が過ぎても死を迎えることも無く、12日、12週間の時を過ごしても謙太郎は一向に死ぬ気配を見せなかった。
12カ月目、電光掲示板の残り時間がようやく減って「11」になり、ようやく謙太郎は与えられたロスタイムが12年であることを知る。そのことにショックを受け、肩を落とす謙太郎は、この12年のロスタイムとは、自分が19歳の時に受験に失敗してこれまで現実から逃げてきた歳月であると気付き、医者になりたかった純粋な気持ちを振り返る。
そんな時、母・智恵子が突然倒れ、救急車で病院へ運ばれていく。慌てて部屋を飛び出す謙太郎だが、どうしても玄関から外へ出ることができない。謙太郎が部屋で自分の不甲斐なさを痛感していたところに、病院から戻ってきた妹・亜矢(小出早織さん)が、ドア越しで智恵子が意識不明であることを泣きながら告げる。不安を吐露する亜矢の様子から、謙太郎は、医者であった憧れの父が倒れた時のことと重ね合わせて思い出す。「そんなに心配するな。お兄ちゃん、ついてるから」と言って、謙太郎が部屋のドアを開け、意を決して1歩を踏み出した。
「誰かが言った。人生に無駄なプレイなどあるのだろうか」
謙太郎がロスタイムを与えられてから12年の歳月が経とうとしていた。謙太郎はなんと病院で医師として意欲的に働いていた。突然実家に帰ってきた謙太郎は、父の仏前に手を合わせ、元気になった智恵子に「あの時はホントごめんね」と告げる。それから結婚を控えた亜矢に「結婚おめでとうな」と言い、二階の自分の部屋へと向かっていく。その後ろには審判団がいて、やがて試合終了のホイッスルが鳴り響くのであった…。
変化球でありながら、今までの集大成と思わせるほどの良い話でした。
死の間際に医師を目指していた謙太郎が、自分の状況を医学的(?)に説明するところや、過去のエピソード(看護師編、刑事編、スキヤキ編など)が都市伝説として紹介されたり、玄関の靴で家族の謙太郎への思いを表現するなど、演出もまた凝っていて感心しました。
今回紹介された言葉は、ある偉大なサッカー選手の「人生に無駄なプレイなどあるのだろうか」。謙太郎は12年間、無駄に見える時間を過ごしてきたからこそ、大切なことに気付き立派な医者になれました。だから無駄に見えた時間も実は無駄ではなかったというのが実に深いです。
言うまでもありませんが、現実にはロスタイムは存在しません。だからいつ死んでも悔いが残らないような生き方をしたいものです。

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