探偵はBARにいる3 (大泉洋さん)

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シリーズ3作目となる映画『探偵はBARにいる3』は、東直己さんの小説『ススキノ探偵シリーズ』を基にした映画オリジナルストーリーとなっています。
大泉洋さんは、主人公の探偵 役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想(ネタバレ注意)
キャバクラにて探偵(大泉洋さん)は、キャバ嬢・ヤンヤン(今村美乃さん)の左胸モミモミ事件を鮮やかに解決する。
そんな中、探偵の相棒・高田(松田龍平さん)が後輩である大学生・原田誠(前原滉さん)を連れてくる。原田の依頼は、合コンで知り合った彼女・諏訪麗子(前田敦子さん)が行方不明でLINEも電話も返事がなくて部屋にも帰っていないので探してほしいというものだった。探偵はありふれた依頼として安易に引き受ける。
調べてみると、麗子がアルバイトをしていた「ピュアハート」は、表向きはモデル事務所を装っているが、裏では怪しい商売をしていることが判明する。探偵はピュアハートのオーナー・岬マリ(北川景子さん)と出会うが、何となく見覚えがあるもののどこで会ったのか思い出せない。そんな矢先、探偵はマリの手下に襲われ、これまで無敗を誇った高田も波留という男(志尊淳さん)に倒されてしまう。
ショーパブ「トムボーイズ・パーティー」のママ・フローラ(篠井英介さん)や、探偵とは腐れ縁の桐原組若頭・相田(松重豊さん)からの情報によると、ピュアハートには北城グループという企業がバックについていて、マリはその代表・北城仁也(リリー・フランキーさん)の愛人だった。しかも北海道日報の敏腕記者・松尾(田口トモロヲさん)からの情報によると、北城は表向きは慈善活動に積極的な人道派だが、実は異常なまでのサディストで、ヤクザ・花岡組と盃を交わしてあらゆる悪事に手を染めているらしい。北城グループの陰には殺人事件も見え隠れするのだった…。
行きつけのバー「ケラー・オオハタ」を根城として気が向けばどんな依頼も受ける探偵。探偵の相棒兼運転手で普段は北大農学部の助手を務めている高田。そんな2人のコンビネーションが本作でも健在でいい雰囲気でした。高田の愛車“高田号”こと光岡自動車の初代ビュートのオンボロ具合も相変わらずで懐かしかったです。
今回、探偵と高田は、巨額の薬物取引、2つの殺人事件に巻き込まれます。それらすべては岬マリが大きく関わっていました。マリの人生に焦点が当てられ、その人間ドラマは悲しくも切なかったです。探偵は過去にマリと出会っていました。その際に探偵は抜け殻のようになっていたマリに、他人にとってはとてもくだらないことだったりするが、生きていればきっと“命を燃やすもの”に出会えると言って励ましたことがあったのです。終盤でそのことを覚えていたマリが探偵に「探偵さん、私出会ったよ。出会ったんだ」と話す笑顔が眩しかったです。
今回の高田は、後輩からの依頼というのもあってか、今までとは少し違いました。これまではどちらかというと受け身で仕方なく探偵の手伝いをしているという感じでしたが、今回は少し頑張りを見せました。また初めて自身を上回る武闘の使い手・波留に出会い、静かな闘志を燃やすところも興味深かったです。そんな成長を見せる高田ですが、ラストのオチはいつもの高田らしく笑ってしまいました。劇場でご覧になる方はエンドロールが終わるまで席を立たぬようお気をつけください。
私も自分の大切なもののために懸命に生きていこうとあらためて思いました。