SPACE BATTLESHIP ヤマト (木村拓哉さん)

kimuratakuya07

『SPACE BATTLESHIP ヤマト』は、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』の初の実写映画化作品です。主人公の古代進はSMAPの木村拓哉さんが演じていて、監督は『ALWAYS 三丁目の夕日』などで有名な山崎貴さんが務めています。
一昨日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
西暦2194年、外宇宙に突如として現れた謎の異星人「ガミラス」が地球への侵攻を開始した。人類は地球防衛軍を結成して抵抗したが、全軍壊滅状態になる。
5年後の西暦2199年には、地球は青く美しかった頃の面影も無く、ガミラスによって投下された遊星爆弾によって放射能で汚染され、海は蒸発し赤茶けた姿に変貌してしまう。生物の大半は死滅して、残された僅かな人類は地下へ逃れ、科学力の差の前になす術もなく、絶望の中で暮らしている。
かつて地球防衛軍で宇宙戦闘機コスモゼロ隊のエースパイロットとして活躍していた古代進(木村拓哉さん)は、ガミラスの攻撃で家族を失った悲しみから立ち直ることができずに除隊していた。そんな彼の前にある日、未確認物体が落下してきた。それは銀河系の彼方、地球から14万8千光年離れた惑星・イスカンダルから放たれた通信カプセルであった。カプセルには、イスカンダル星人が放射能を除去する装置を持っていることを示唆するメッセージがあったらしい。
地球防衛軍は、極秘裏に地球脱出目的の宇宙移民船へと改造中だったヤマトを“宇宙戦艦ヤマト”として蘇らせ、地下にも放射能汚染が進行し1年以内になんとかしなければ人類滅亡という状況の中、放射能除去装置を手に入れるためにイスカンダルへ派遣することにした。戦場への復帰を決意した古代は、ヤマトへの乗艦を志願。
かくして人類最後の希望を乗せて、宇宙戦艦ヤマトは遥かイスカンダルへと旅立つのだった…。
いろいろと突っ込みどころもありますが、よくまとまっていると思いました。VFXを駆使して作り上げられた世界も期待通りの出来でした。波動砲発射のシーンも興奮しました。
基本的には、家族を失って孤独を抱えた古代が、地球を救うという使命を帯びて戦うヤマトの旅の中で愛を知り、やがて人間としても戦士としても成長していく物語が主軸となっています。
アニメを少し知っているせいか、先の展開が読めてしまうところが多々ありましたが、知っているがゆえにニヤリとするような台詞やシーンが随所にあって楽しめました。特に感動的だったのは、地球への帰還を間近にして艦長・沖田十三(山崎努さん)が口にした「地球か…、何もかも皆懐かしい」という名台詞です。
デスラーの表現の仕方には驚きましたが、声を演じているのがアニメと同じく伊武雅刀さんだったので、個人的にはそれほど違和感は感じませんでした。もっと驚いたのは、惑星・イスカンダルとガミラス星の関係です。ネタばれになるので多くは語りませんが、アニメの設定とは違っていましたが、なかなか良いアイデアだと思いました。
通信カプセルによって送られてきた座標はガミラスの罠かもしれないという状況の中、それが暗闇の中のわずかな光だとしても少しでも可能性があるならばと、ヤマトのクルーたちは、可能性を本物の希望に変えるために前に進みます。山崎監督が言うように、情報が蔓延していてすぐあきらめる人が多い今の時代だからこそ、だめかもしれないけど頑張るという古代たちの精神を見直すべき時なのかもしれません。

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