無限の住人 (木村拓哉さん)

kimuratakuya16

映画『無限の住人』は、沙村広明さんの同名漫画を三池崇史監督が実写化した作品です。
木村拓哉さんは主人公・万次 役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想(ネタバレ注意)
万次(木村拓哉さん)は旗本の腰物同心だったが、あることで罪を犯して賞金首となった。妹・町(杉咲花さん)を連れて逃亡の旅に出た万次だったが、目の前で賞金稼ぎに妹を殺され、怒り狂って追っ手100人を斬った果てに瀕死の状態になる。その際、800年生きているという謎の老婆・八百比丘尼(山本陽子さん)によって血仙蟲という不思議な虫を仕込まれて不死の身体になってしまう。
それから50年後。江戸最強と謳われる“無天一流”を受け継ぐ浅野道場の一人娘・凜(杉咲花さん:二役)は、女の子らしいことには一切興味を示さず、免許皆伝を目指して日々稽古に励んでいた。そんなある夜、天津影久(福士蒼汰さん)たち“逸刀流”の剣客集団が浅野道場を襲撃し、門下生と凜の父親である統主・浅野虎厳(勝村政信さん)を殺害して凜の母親・時(真飛聖さん)を連れ去る。天津はすべての流派の垣根を取り払って統一することを目的に、江戸中の道場に戦いを挑んで潰し続けているらしい。
凜は敵討ちを誓って一人で修行をしていたところ八百比丘尼と出会い、絶対に死なない万次の存在を知らされる。それから八百比丘尼のアドバイスに従って万次の居所を突き止めて用心棒を頼む。妹を亡くして半世紀、生きる糧を失ってただただ孤独な日々を送っていた万次だが、妹にそっくりな容姿の凜の願いを聞き入れ、敵討ちを手伝うことにするのだった…。
冒頭から100人斬りで幕を開け、衝撃的で引き込まれました。そして300名にも及ぶエキストラが集結して2週間以上かけて撮影されたというクライマックスの戦いのシーンも見応えがありました。まさに本作の宣伝文句にある通り“ぶった斬り”エンタテイメントでした。
万次は、凜と出会って生きる目的を見出しました。そんな彼が凜を守るためにすべてを懸けて闘う様は凄みがありました。
鎧兜を身にまとい長刀を操る逸刀流剣士・黒衣鯖人(北村一輝さん)、山育ちで地の利を生かした戦いを得意とする逸刀流剣士・凶戴斗(満島真之介さん)、逸刀流に属する剣士ですが虚無僧のような出で立ちをしていて、万次を絶体絶命に追い込む秘策を隠し持つ閑馬永空(市川海老蔵さん)、長刀と三節棍を組み合わせたような独特の武器と驚異的な身体能力で相手を圧倒する逸刀流の刺客・乙橘槇絵(戸田恵梨香さん)、そして逸刀流の統主で天才的な剣の腕を持ち舶来の斧を操る天津など、個性的な敵が多数登場して面白かったです。
また天津が凜の父親を殺した裏には実は凜の祖父などが関係する過去の因縁が隠されていたり、利害の一致で万次と凜が行動を共にすることになった謎の集団“無骸流”の尸良(市原隼人さん)たちには逸刀流を狙う真の目的があったり、そして背後で幕府の陰謀が渦巻いていたりして興味深かったです。