TAKE FIVE 最終回 (稲垣吾郎さん)

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SMAPの稲垣吾郎さんは、TBS系列にて毎週金曜夜10時から放送されていた金曜ドラマ『TAKE FIVE~俺たちは愛を盗めるか~』に岩月櫂 役で出演しました。
一昨日は最終回(第10話)が放送されました。
●あらすじと感想
20年前の真実を明らかにするため、帆村正義(唐沢寿明さん)たちは留置所から謎の老女・古堀杏子(倍賞美津子さん)を盗み出しました。彼女は何者かに襲われ、意識を失っていました。岩月櫂(稲垣吾郎さん)の突然の裏切りによって正義は逮捕されてしまいます。そして警察に保管してあった「ルクレツィアの肖像」が何者かによってニセモノにすり替えられました。真実に迫ろうとする刑事・笹原瑠衣(松雪泰子さん)でしたが、何者かに気を失わされどこかに連れ去られてしまいます。
瑠衣の上司の増田公造(でんでんさん)や部下の矢野昇太郎(千葉雄大さん)はテイク・ファイブの面々が瑠衣を拉致したのではと考え、正義に瑠衣の居場所を尋ねます。正義は警察に保管してあった「ルクレツィアの肖像」がニセモノであったことを増田たちから誘導尋問で逆に聞きだし、隙を突いて取調室から逃走し、新美晴登(松坂桃李さん)たちの助けも得て警察から脱出しました。
正義は20年前の事件について、ある確信を持って動き出します。南真一(六角精児さん)、火岡均(入江甚儀さん)にはすり替えられた本物の「ルクレツィアの肖像」の行方を追ってもらい、晴登には警察の自動車ナンバー自動読取装置“Nシステム”を読み取ることによって瑠衣を拉致した犯人の車の行方を突き止めてもらいます。それから正義と晴登は、犯人の車の足取りから瑠衣が監禁されているのは古賀美術館であるとにらんで忍び込みます。瑠衣は低酸素保管庫に閉じ込められていました。犯人は瑠衣を不慮の事故死にみせかけようとしているのです。晴登が警察をひきつけ、正義が瑠衣の救助に向かいます。正義は、低酸素で意識を失っていた瑠衣を心臓マッサージと人工呼吸で救うものの、後から駆けつけた矢野と増田に追いつめられます。そこへ岩月が現れ、正義の話を聞くことを提案。瑠衣も真実が知りたいと言って同意しました。そこで正義は次のことを明かしました。
20年前、正義の父・野上誠(小林隆さん)は、テイク・ファイブの中に裏切り者がいることを知っていました。それが後藤光秀(峰竜太さん)だったのです。野上は、後藤が金目当てで仲間を裏切って一人で「ルクレツィアの肖像」を盗もうとしていることを事前に察知していました。しかし慎重な後藤は単独で盗みに入るようなことはしません。優秀な警察官である瑠衣の父・徹(菅原大吉さん)の目を盗んで後藤を手引きする裏切り者の警察官がいたのです。野上は絵を盗もうとする後藤を止めますが、そこへ徹が現れて2人を確保しようとします。ところが裏切り者の警察官が徹を背後から襲ってナイフで刺しました。裏切り者の警察官は絵を持ち去り、後藤も逃げ出します。野上が刺された徹を介抱する中、本物の「ルクレツィアの肖像」を持って古堀杏子が現れました。展示されていた絵がニセモノであると気づいていた野上は、手にしている本物の絵を持って逃げるよう杏子に指示。警察には裏切り者がいるから信用するなと伝えました。その後、野上は警察にあえて逮捕されました。警察内部に犯人がいるとにらんだ野上は、その犯人を探ろうとしたのです。しかし野上は犯人に獄中で自殺にみせかけられて殺されました。その犯人とは徹の同僚でパートナーだった増田公造でした。正義は取調べ中に増田の腕時計を見てピンと来たのです。瑠衣が大切にしていた父親の形見である腕時計は、警視総監賞をもらった時に贈られたもので、その時、徹のパートナーだった増田も表彰されて同じ腕時計をもらっていたのです。
でたらめだ、証拠がないと抵抗する増田の前に、証拠ならあると晴登が杏子を連れて現れます。杏子は増田に写真を送りつけて、「ルクレツィアの肖像」に指紋が残っていると脅していました。それで絵に付いた自分の指紋を誰かに調べられたらマズイと考えた増田は、後藤を呼び戻して絵を取り返そうとしたのです。留置所で杏子を殺そうとしたのも増田でした。ところが杏子が驚愕の真実を明かします。20年前、増田が持ち去ったのはニセモノの方だったので、本物の方に指紋が残っているはずがなく、写真にあった指紋は杏子自身のものだったのです。身に覚えがあったからこそ、写真を放っておけずに何とかして絵を手に入れようとしたのだと正義が指摘し、「あなたが動いたこと、それ自体があなたが20年前の事件の犯人だという証拠なんですよ」と言いますが、増田は認めようとしません。そこで、増田が「ルクレツィアの肖像」を車のトランクに隠すところの写真を南が見せます。さらに岩月が説明します。警察内部に裏切り者がいるとなると、瑠衣が真相に近づくことにより危険が及ぶ可能性があると考えて、正義は瑠衣に「ルクレツィアの肖像」に近づくなと忠告したとのことです。そして岩月は増田をずっとマークしていました。自分を盗品倉庫へ左遷したのも、東都銀行の機密データの中身の一部を削除して岩月を陥れようとしたのも、増田の仕業であるとにらんでいたのです。また増田は、過去に不祥事を起こした香川竜一(阿部進之介さん)の処分を甘くする代わりに岩月を見張るように指示していました。岩月は、増田のような“悪”を捕まえるには増田に信用されるしかないと考えて、いわゆる“プランB”を発動して正義を逮捕してみせたのです。正義たちを裏切ったわけではありませんでした。
瑠衣は増田に手錠をかけました。正義の父親と瑠衣の父親のためになんとしてでも真実を手に入れたかったと話す杏子は、感謝の言葉を述べ、ニセモノの「ルクレツィアの肖像」を持って去って行きました。
2人きりになり、瑠衣は正義にお礼の言葉を述べます。しかし正義は、「あなたは立派な刑事です。お父さんと同じように、犯罪を見過ごしてはいけない。あなたは私を逮捕しなければならない」と言って両手を差し出します。瑠衣は「本当にあなたは、私を困らせるようなことばかりをする」と言って正義に手錠をかけて車で連行しますが、警察署に到着した瑠衣の車の後部座席には、手錠だけが取り残されていました。
ニュースでは、長年行方が分からなくなっていた「ルクレツィアの肖像」が日本で発見されたとして、現在レオナルド・ダ・ヴィンチ展を開催している東京都美術館が急遽「ルクレツィアの肖像」を展示することにしたと報じられています。正義の行方を探して彼がオーナーを務めていたジャスバー「スウィングタイム」を訪れた瑠衣は、正義に妹がいることを知ります。ジャスバーで、正義の父・野上誠が好きだったジャズ・ナンバー「テイク・ファイヴ」を歌っていた小百合(JUJUさん)こそ、正義の妹だったのです。バーテンダー・古堀隆(駿河太郎さん)は、元オーナー(=帆村正義)から預かったとして赤い封筒を瑠衣に渡します。封筒にはダ・ヴィンチ展のチケットが2枚入っていました。瑠衣は妹・紗枝(江田結香さん)と一緒にダ・ヴィンチ展を訪れ、父親が命がけで守ろうとした「ルクレツィアの肖像」をしみじみと鑑賞します。杏子もまた観に来ていました。そして、遠くから瑠衣たちを見守る5人の男もいました。正義、晴登、南、岩月、均のテイク・ファイヴです。お尋ね者の身になった正義は大学を辞めるつもりのようです。瑠衣の腕にはもう、時が止まってしまった父親の形見の時計はありませんでした。正義が「時計、贈ったんじゃないのか?」と尋ねると、晴登は「やめたよ。今は時間になんて縛られずに生きてほしいからな」と答えました。そして彼らは今日も金にはならないが愛のある盗みをするつもりのようで、瑠衣もまたそんな愛すべき泥棒たちを追い続けるのでした…。
毎回のように紹介されていた「盗みは人を不幸にする。盗むことを決断するなら、そこに必要なのは傷つく覚悟、そして何より“愛”がなければならない」という言葉が印象的でした。そうしたテイク・ファイヴのイディオム、劇中に流れる楽曲、物語の終わり方もオシャレで面白かったです。