- 2008年10月14日
TBS系列にて毎週木曜夜9時から放送されていた連続ドラマ『潜入探偵トカゲ』は一昨日、最終回(第10話)を迎えました。
TOKIOの松岡昌宏さんは寺島秀司 役で、蓮佛美沙子さんは望月香里 役で出演しました。
●あらすじと感想
“クモ”は、裏社会から権力者まであらゆる情報網を持って牛耳っている人物です。潜入探偵トカゲこと織部透(松田翔太さん)と捜査一課の刑事・寺島秀司(松岡昌宏さん)は、単なる情報屋と思われた篠崎肇(田中哲司さん)が実は“クモ”と呼ばれている人物であると突き止めました。しかし篠崎は、黒澤(鈴之助さん)を使って茂手木圭太(豊原功補さん)の息子・蒼太(君野夢真さん)を監視していると脅します。篠崎に捕らえられて手も足も出ないトカゲは、篠崎にスパイを志願して、篠崎の指示通りに寺島の足をナイフで刺しました。
篠崎は早速、警視庁のサーバーにあるクモが関わったとされるあらゆる犯罪データを抹消するようトカゲに依頼します。トカゲは篠崎が監視していることを見越して、データ抹消は密かに助手の望月香里(蓮佛美沙子さん)に頼み、自分は寺島の救出に向かいました。寺島を無事救出できたものの、そのことが篠崎にばれて、蒼太がさらわれてしまいました。
気持ちで人が救えると信じている香里は、執念で蒼太をさらった黒澤とアジトを見つけ出しました。そこでトカゲたちはある作戦を仕掛け、刑事部部長・岸森幹雄(遠藤憲一さん)から真実を聞き出しました。それは以下のようなことでした。
入庁当時から警視総監候補と言われていた岸森は、自分自身もその地位を目指してきました。暴力団、大企業、政治家が絡んだ組織犯罪を摘発するために、岸森はその情報を篠崎から得ていました。最初は麻薬取引の現場の情報で、見返りに銃や麻薬のガサ入れ程度の捜査情報を篠崎に流していました。そしてどんどん仲は深まり、そんなある日、妻の父親の会社が破綻しかけ、莫大な借金を背負っているのを救おうとした岸森は、篠崎の悪魔のささやきに乗って、麻薬の横流しに手を出してしまいました。岸森の地位が上がるにつれて、篠崎の要求はどんどん増していきます。相手の弱みを握る事で巧みに自分の巣に絡め取ってくる篠崎は、やがて元内閣総理大臣・小田桐晃(小倉馨さん)まで巣に巻き込みました。しかし一連の事件が警察の捜査情報のリークに基づくものだと考える人間が現れました。それが茂手木たちだったのです。茂手木はトカゲと行動を共にしてクモとスパイの正体に迫りますが、岸森が篠崎に情報を流したせいで危険にさらされ、茂手木とトカゲはクモの組織に拉致されて海に沈められました。ちなみにいち早く黒幕は篠崎であると調べ上げていた茂手木は、箱に入れられる前に篠崎に射殺されていました。それですべてが終わるかと思いきや、トカゲだけが奇跡的に生き延びました。トカゲがどこまで真相を知っているのか心配する岸森ですが、トカゲは何も知らず、それどころか茂手木が死んで自分だけ助かったことに強い責任を感じて警察を辞めました。そして寺島たちは、捜査のために手段を選ばない非情なトカゲを、茂手木を死に導いたスパイだと疑いました。トカゲのことが怖かった岸森は、自分の下で働かせて行動を監視すれば、何を知っているのかもすぐ分かると考え、トカゲを潜入探偵として雇いました。ところが篠崎がクモ本人とは知らずに、茂手木の事件を暴き出そうとして、今度は寺島が篠崎に深入りを始めました。篠崎は保身のために小田桐元総理を殺害し、そしてその罪とスパイの容疑を寺島になすりつけました。それですべてが決着するはずでしたが、なぜか岸森はトカゲにクモを追わせ、殺せとまで言います。それは岸森自身の精神が限界にきていたからでした。クモの監視と要求が日に日に強くなっていたのです。そしてとうとう岸森の娘・愛梨(青山美郷さん)がさらわれました。
クモの巣から逃れるためにもすべてを打ち明けて罪を償うしかないと言って、観念した様子をみせて謝罪する岸森でしたが、まだ重大な事を隠していました。篠崎は黒澤を使って、人質交換場所に爆薬を仕掛けて、クモの正体を知るトカゲと寺島を殺そうとしていたのです。スパイの罪を班長・山根憲二(吹越満さん)に押し付けて、岸森は篠崎の支配の下、生き延びようとしていたのです。黒澤とアジトを突き止めたトカゲたちは、先回りして黒澤と篠崎を捕らえ、人質の蒼太と愛梨をすでに救出していました。そのことを告げ、捕らえた篠崎と黒澤を連れてくると、岸森は今度こそ本当に観念しました。手錠をはめられた岸森は娘・愛梨に謝罪して、篠崎たちと共にパトカーに乗り込んでいきます。トカゲは心配する愛梨に「やっとクモから解放されたんだ。君のお父さんはこれからやり直すんだよ」と説明しました。茂手木の元恋人で巡査部長の槙原洋子(ミムラさん)は、トカゲに対して長い間スパイと疑っていた事を謝罪。寺島はトカゲに本庁復帰するよう誘いました。でもトカゲは「俺には助手がいる」と言って誘いを断って歩き出します。それを聞いた香里は笑顔でトカゲの後を追いかけていきました。後日、蒼太は今度こそ豆乳の会社のお目当ての景品が当たって大喜び。トカゲたちもひと安心です。それからバイクで疾走するトカゲは、少年時代に友人とケンカして「絶交だ」と言われて落ち込んでいる時に父・道男(光石研さん)に言われたある言葉を思い出していました。それは「大丈夫だよ、透。人間はいつでもやり直せるんだから。やり直せる」という言葉です。今のトカゲにとっては、さぞかし心に染みる言葉でしょう。