- 2011年6月28日
映画『亜人』は、講談社『good!アフタヌーン』にて連載中の桜井画門さんによる同名漫画を実写映画化した作品です。『踊る大捜査線』シリーズなどの本広克行監督がメガホンを取っています。
佐藤健さんは、主人公・永井圭 役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想(ネタバレ注意)
研修医の永井圭(佐藤健さん)は、トラックに轢かれた直後に生き返ったため“亜人”であることが発覚し、「保護」という名目で政府から捕らえられた。亜人は命を繰り返す新人類で、死亡すると即座に蘇るという驚異的な再生能力を持つ上に、亜人にしか見えないいわゆる「黒い幽霊」を発現させることができる。厚生労働省は「亜人研究所」なる施設を設立して、「亜人は人類の進化のカギとなる貴重な存在である」として、秘密裏に人体実験を繰り返していた。圭は日本国内で3番目に確認された亜人にあたり、“003”と名付けられて腕や足を幾度となく切断されるなど過酷な人体実験の餌食にされていた。
そんなある日、研究所に2人の侵入者が現れる。国内で最初に確認された亜人・佐藤(綾野剛さん)と、国内で2番目に確認された亜人・田中(城田優さん)だった。昔、研究所から脱出した佐藤は、3年前にも田中を解放するために研究所に侵入しており、今回は永井圭を解放するのが目的だった。佐藤は監禁されていた圭を救い、「亜人の未来のために共に戦おう」と呼びかける。しかし、佐藤の残忍な本性を目の当たりにした圭はそれを拒否してしまう。圭は佐藤と戦うはめになり、その末になんとか佐藤と研究所から逃れるのだった…。
佐藤は国を支配しようと企むテロリストでした。圭は政府とある取引をして佐藤を阻止する側に付きます。
亜人の“命を繰り返す”という設定が斬新で、戦いのシーンもその設定が最大限に活かされていて興味深かったです。例えば自分で自分の頭を撃つことにより“リセット(驚異的なスピードでの再生)”したり、自分で自分の腕を切り落として戦いに利用したり、自分の身体を貫通させて背後の敵を撃ったり、一味違った戦い方が見れて面白かったです。
亜人から放出される黒い粒子が人間の形になって戦いを助ける「黒い幽霊」通称IBM(=Invisible Black Matter)を交えてのバトルシーンも見応えありました。圭と佐藤の一騎打ちでもお互いのIBMが入り乱れ、戦いの展開が目まぐるしく目が釘付けになりました。
冷たそうに見えて実は妹の病気を治すために医者を目指していた圭、国から20年にも及ぶ非人道的な虐待実験を受けて憎しみを抱く佐藤、銃の扱いは苦手なもののIBMの戦闘能力は高い田中、厚生労働省亜人管理委員会のトップで冷酷かつドSな官僚・戸崎優(玉山鉄二さん)、戸崎の秘書兼ボディーガードで田中を相手になかなかの戦いぶりを見せる下村泉(川栄李奈さん)など、登場人物も掘り下げは浅かったものの魅力的でした。圭が田舎の村で出会ってお世話になる見知らぬおばあちゃん(吉行和子さん)もいい味を出していました。
最初から最後までアクションシーンが多く、テンポもよくてあっという間に感じられました。不死身な亜人同士の戦いがどのように終わるのかも、ある意味本作の見どころの1つでしょう。国の対応、圭の決断など、なるほどと思わせる流れでした。そしてまさにエンドレスといった終わり方でした。