映画『アリータ:バトル・エンジェル』(Alita:Battle Angel)は、木城ゆきと氏による漫画『銃夢』を原作とし、ジェームズ・キャメロンが脚本と製作を手掛けて実写化した作品です。『シン・シティ』シリーズなどのロバート・ロドリゲスがメガホンを取っています。
先月、劇場に観に行きました。以下ネタバレ注意です。
時は2563年、舞台は空中に浮かぶ都市ザレムからの廃棄物が堆積している荒廃した街アイアンシティ。個人病院を営むサイバネ医師のイド(クリストフ・ヴァルツ)は、クズ鉄の山からサイボーグの少女の頭部を発見します。その脳は長い休眠状態により記憶を失っていましたが、奇跡的に生命反応があり、イドによって修復され新たな機械の体を与えられました。“アリータ”と名付けられたその少女(ローサ・サラザール)はイドのもとで暮らすようになります。アリータはひょんなことから自分の中に並外れた戦闘能力と兵士としての記憶があることに気づき、なぜ自分が生み出されたのかを探ろうと決意します。
物語は、サイボーグの少女の成長物語となっていました。アリータが青年ヒューゴ(キーアン・ジョンソン)や仲間たちと触れ合う中で人間らしさを身につけていくところがよかったです。アリータが徐々に感情に目覚めていき、怒ったり、喜んだり、恋をしたりするところが魅力的でした。やがてアリータは自分の衝撃的な過去を思い出し、運命と向き合っていきます。イドがアリータのことを自分の娘のように心配し、成長を見守る姿も印象的でした。
そしてなんと言っても最先端のパフォーマンス・キャプチャーを駆使して実写とCGを一体化させた映像の革新性が見事でした。アリータとマッドなサイボーグ戦士たちとの激しいバトル、特にサーキットで繰り広げられる格闘球技「モーターボール」のシーンなどが見応えありました。