下町ロケット (世良公則さん)

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世良公則さんは、TBS系列の毎週日曜夜9時枠にて放送されている日曜劇場『下町ロケット』に貴船恒広 役で出演しています。
一昨日は第9話が放送されました。
●あらすじと感想
“コアハート”の臨床第1号の治験患者の死亡は、貴船恒広(世良公則さん)の「初期対応に誤りはあったが、それが直接的な原因ではなく病死だった」とする結論に基づいて処理されることとなりました。すなわちコアハートには一切無関係ということです。貴船は、責任を弟子の巻田真介(横田栄司さん)に負わせ、臨床試験の再開を狙います。
一方、ロケットエンジンのバルブ供給をサヤマ製作所に横取りされてしまった佃製作所は、もはや“ロケット品質”を名乗れなくなり、取引先から取引縮小の連絡が相次ぎ、岐路に立たされていました。そんな中、元「毎朝新聞」の記者で、医療事件を専門にしたフリージャーナリスト・咲間倫子(高島彩さん)がコアハートについて意見を聞くために佃製作所へやってきます。それは、アジア医大の治験患者死亡はコアハートの不具合による急死の疑いがあり、それを病院側が隠ぺいしているとにらんでいるからです。咲間は入手ルートは明かしませんでしたが、設計図のコピーを持参してきました。山崎光彦(安田顕さん)は、設計図だけでコアハートに欠陥があるかを判断するのは難しいので、実験データの資料があれば、より判断材料になると言いました。
設計図の入手元は巻田でした。高知県に飛ばされることになった巻田は、腹を立てて咲間に協力したのです。しかし、設計図が流出していてそれが巻田の仕業であると知った貴船は、椎名直之(小泉孝太郎さん)の「言うことを聞かない駄馬は、目の届くところに置いて飼い慣らした方が安全」というアドバイスに従って巻田の高知行きを白紙にし、これ以上余計なことをしないよう巻田に釘を刺しました。この後、巻田はもう協力できない旨を咲間に伝えました。咲間はコアハートの貴重な情報源を失ってしまったのです。
ガウディを支援してくれる企業は相変わらず見つかっていませんでした。論文の掲載も実現できず、このままではガウディ計画が潰れて患者たちを救えなくなってしまうと考えた一村隼人(今田耕司さん)は、泣く泣くガウディの共同開発を貴船に頼みます。しかし、にべもなく断られてしまいました。貴船はいよいよ行き詰ったところで手を差し伸べて圧倒的優位に立つ魂胆のようです。
そして迎えたPmea第3回事前面談。佃製作所が研究を積み重ねてこれまで提示してきたものよりも性能が格段に進化した新作の人工弁の試作品を持ってきましたが、貴船の息が掛かった審査担当官・滝川信二(篠井英介さん)が立ちはだかります。製造販売業の認可を持った大企業の支援が必要の一点張りで、試作品の話を聞こうとしないのです。ガウディを無用の長物扱いする滝川に、開発リーダー・立花洋介(竹内涼真さん)と社長・佃航平(阿部寛さん)が反論。その情熱に滝川以外の審査担当官の心は動かされたようです。面談を終わらせようとする滝川をよそに質疑応答が始まりました。なおも批判して話を打ち切ろうとする滝川でしたが、航平の隠し球に血相を変えます。それは、滝川と貴船のただならぬ癒着関係を物語る写真と音声でした。その写真を見た審査担当官リーダー・山野辺敏(大鷹明良さん)は滝川を叱責。それから航平たちの実験データの有用性を認めた上で、大型動物へと実験の段階を一歩進めてみてはどうかと提案しました。事実上ガウディの開発が認められたのです。その後、滝川はPmeaの審査官を降ろされたそうです。ちなみに癒着関係の証拠写真・音声は、咲間が用意したものでした。
コアハートは間もなく臨床治験が再開されようとしていました。今唯一の手掛かりは、佃製作所が作成した設計図がサヤマ製作所に盗まれ、それが日本クラインに渡った可能性があるということです。咲間は航平たちに本丸に攻め込むことを提案します。すなわちそれは椎名との直接面談です。椎名に対する咲間の取材に、技術的な話のサポートという名目で航平と山崎が同席しました。航平は、コアハートの設計図は佃製作所の元社員・中里淳(高橋光臣さん)が佃製作所から持ち出したものをサヤマ製作所が引き取って日本クラインに提案したのではないか、しかもその開発段階で何らかの問題をはらんでいてそれが引き金となって臨床患者が亡くなってしまったのではないかということを質問しました。それを否定する椎名は、ジャーナリスト・咲間のことを、有効な薬や医療機器の認可の邪魔をして“人殺し”と同じであると断じます。航平はそれに反論し、目先の利益に流されて不完全なものを隠して世に出してその結果患者を死なせてしまったんだとしたら、椎名の方が人殺しではないかと主張しました。それに対して椎名は「証拠もないのにこれ以上私たちの邪魔をするというなら、法的手段で訴えてやるからな」と言います。望むところだと対抗心を燃やす航平は「隠せるもんなら隠してみろ。いくら取り繕っても、技術は嘘をつかない!」と宣言するのでした…。
ジャーナリストに憤る貴船の「この世に完璧な医療なんて存在しない。医療っていうのはね、失敗による経験の蓄積と仮説と実証の果てしない積み重ねなんだよ!」という言葉が印象的でした。一村の話によると、元々は貴船も人の命を最優先に考える医者だったそうです。それが大学病院という組織の中で出世することにとりつかれてしまい、人が変わったそうです。そんな貴船を目覚めさせるには、挫折することが必要だと航平は言いました。それは自身の経験から導きだした答えでした。一村は、貴船が挫折するとは思えないと言っていましたが、恐らく次回最終話でその時が訪れるのでしょう。その際に貴船が医師として目覚めてくれることを期待します。