家族狩り 最終回 (伊藤淳史さん)

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伊藤淳史さんは、TBS系列の毎週金曜夜10時枠にて放送されていた金曜ドラマ『家族狩り』に巣藤浚介 役で出演しました。
先日は最終回(第10話)が放送されました。
●あらすじと感想
東京都内で連続して発生している、子どもが家族を殺して自殺する一家心中事件。真相は、ボランティアで子育て問題の電話相談をしている山賀葉子(財前直見さん)と白蟻駆除業者の大野甲太郎(藤本隆宏さん)による犯行でした。夫婦だった2人は共にかつては教育問題に熱心に取り組む教育者で、個人的に家族の問題を相談されることも多く、周囲からの人望も厚かったようです。2人が他人の子どもたちの相談に乗る一方で、自分たちの息子と過ごす時間は少なくなり、やがて息子が家庭内暴力に走るようになりました。日に日に暴力が激しくなる息子はついに家族を殺そうとするまでになり、挙句の果てに大野が息子を刺殺してしまったのです。罪を償ってから死ぬつもりだった大野たちですが、マスコミで事件の内容が報じられるうちに、子どもの暴力に耐えていた2人に対する同情の声が起きました。その結果、情状酌量されて軽い刑で済んでしまった2人は、十分な罪の償いをできないことで逆に苦悩します。そして、離婚して名前を変えて一見他人のふりをしながら問題のある家族を見つけては狩るようになりました。それが家族で殺し合って生き残ることの苦しみを知る2人のたどり着いた結論だったのです。すなわち、末期状態に陥った家族たちを救うために、“儀式”と称して家族を“送って差し上げる(=殺す)”ことが彼らの正義なのです。
児童ケアセンターの児童心理司・氷崎游子(松雪泰子さん)と高校の美術教師・巣藤浚介(伊藤淳史さん)、そして 刑事・馬見原光毅(遠藤憲一さん)たちのおかげで、芳沢家に対する家族狩りを阻止することができました。追いつめられた山賀たちは、芳沢家の部屋に火を放ち、馬見原の銃弾を受けながらも逃走。後日、樹海で車と凶器が発見され、2人は死を選んで樹海の奥へと進んだものとみられましたが、場所が場所だけに遺体は見つかりませんでした。山賀たちの家を捜索することにより、馬見原が一連の殺害現場で嗅ぎとっていた2種類のにおいの正体は、山賀が輸入していたシャンプーと大野が使用していたシロアリの消毒薬であったことが判明しました。2人が家族を狩っていた時の記録や、いざという時に游子に罪を着せようとしていた証拠も見つかりました。
1週間後、游子と浚介は、馬見原から山賀たちの過去の詳細を聞きました。山賀たちに同情する游子に対して、馬見原はそれを否定して「自分の家族は自分で背負うしかないんだ」と言います。すると游子は「そうやって家族を閉じてしまうことが、多くの悲劇の始まりなんじゃないですか?家族をもっと開いてもいいんじゃないでしょうか。開かれたものにしても」と反論しました。そして「生きてることは辛い。生きてるだけでそれだけでいいことがあるとは思えない。だからいいことは自分たちの手でつくっていくしかない。そしてそれを家族や仲間とシェアしていく。他の人にも広げていく。悲しみや辛いことも一人で抱え込まないで人に助けを求める。こちらからも手を差し伸べる。そのための家族や仲間であるべきじゃないですか」と力説しました。浚介はその意見に同意し、游子とおいしいラーメンを食べに行く約束をします。それが浚介にとっては生きる力になり、大切な未来だからです。游子は、浚介が自分の家族と向き合うことを約束の条件にしました。
浚介は清岡美歩(山口紗弥加さん)との関係にけじめをつけようと別れを言うために会います。ところが、美歩はすでに同僚の体育教師・岡村仁(市川知宏さん)と婚約していました。家族狩りの危機を脱した芳沢亜衣(中村ゆりかさん)は、両親とともに釧路の母方の実家へ移住することになりました。浚介が「向こうでどうするつもり」と尋ねると、亜衣は「とりあえず働こうと思ってる。働いて、あのクソ親父の気持ち、金を稼いで生活するっていう現実をこの目で確かめてやる」と答えました。すっきりした様子の亜衣は浚介にメールのお礼を言いました。浚介がしてきたことは無駄ではなかったのです。
馬見原はDV被害者だった冬島綾女(水野美紀さん)と最後の別れを交わし、妻・佐和子(秋山菜津子さん)のもとに行きました。「警察を辞めてもいいと思ってる」と言う馬見原は、佐和子に「これまでの人生、仕事に費やし過ぎた。これからは失った時間を取り戻したい」と言いました。「少し考えさせて下さい」と答える佐和子から馬見原は一緒に食事に行く約束を取りつけました。その後、馬見原は娘・真弓(篠田麻里子さん)の夫である石倉鉄哉(佐野和真さん)に、妻と娘への想い・愛情を語り、妻の父親からもらったライターを渡して「娘のこと、よろしく頼む」と言って頭を下げました。馬見原に反発していた真弓ですが、その姿を陰から見て涙を流しました。
癌だった游子の母・民子(浅田美代子さん)が退院し、浚介と鈴木渓徳(北山宏光さん)が迎えに行き、氷崎家に戻ってきました。游子の父で、時々記憶を取り戻すことがある認知症の清太郎(井上真樹夫さん)も喜んで民子を迎え入れます。その後、約束通り游子とラーメン店に来た浚介は、両親に16年ぶりに会ってきたことを報告しました。「ほとんど話ができなかったけど」と話す浚介に、游子は「ゆっくりでいいと思う。ゆっくり(家族を)開いていけば」と言いました。それから和やかに会話をする2人ですが、店内のテレビでは、港区東麻布で一連の一家惨殺事件と類似する一家心中事件が昨夜発生したというニュースが流れていました。都内とおぼしき景色の中、電話のベルが鳴り響き、山賀を思わせる電話相談の女が、家族の悩みを聞く声で物語は幕を閉じました。問題の根深さを感じさせる終わり方でした。
浚介が游子に影響を与え、游子が馬見原に影響を与えたというのが印象的でした。游子たちのように人生を変える出会いもあれば、山賀たちのようにそんな出会いを感じることすらできない場合もあるということでしょうか。心を開くことも大切だと感じました。

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