ゲゲゲの女房 (向井理さん)

mukai03
向井理さんは、NHK連続テレビ小説の第82シリーズの作品『ゲゲゲの女房』に村井茂(水木しげる)役で出演しています。
今週は第21週「戦争と楽園」が放送されています。
●感想など
本作は漫画家・水木しげるさんの妻である武良布枝さんの自伝的エッセイを原案としています。
水木さんは、『ゲゲゲの鬼太郎』『悪魔くん』『河童の三平』などの作品が有名です。私が驚いたのは、水木さんは、漫画家として雑誌デビューする前に紙芝居作家、そして長らく貸本作家として活動していて、しかも、前述の代表作の原型はその時すでに出来上がっていたことです。
そして見習いたいと思ったのは“執念”です。貸本作家時代、水木さんは、原稿料を反故にされたり、版元の倒産のため全く原稿料がもらえなかったりと、描いても描いても報われず、それどころか原稿料を値切る材料として作品までも貶められることがあったにもかかわらず描き続けました。そのような執念は、もしかしたら戦争体験により培われたのかもしれません。今週はそんな戦争体験の一端が描かれています。水木さんは、戦闘で敵から逃れて九死に一生を得て、マラリアを発症して死線をさまよい、さらに療養中に敵機の爆撃を受けて左腕を失いました。しかし、そのことで後方に移され、玉砕必至の切り込み作戦において生命を拾うこととなりました。水木さんがあるインタビューで答えた「命を失うより片腕をなくしても生きている方が価値がある」という言葉はとても重みがあると感じました。
ちなみにドラマでは、水木しげる(向井理さん)の漫画に着目していた大手出版社の編集者・豊川悟(眞島秀和さん)から執筆の依頼が来たことにより好転して、40歳を過ぎて初めて水木さんは人気作家となりました。それは水木さんが努力を積み重ねてきたからこそ実力を開花させることができたのは確かですが、実は、そのチャンス到来には私の尊敬する手塚治虫先生も微妙に関係していました。ドラマでは描かれませんでしたが、ちょうどその頃、いわゆる“W3事件”の影響で、「週刊少年マガジン(ドラマでは週刊少年ランド)」の編集長に就任した内田勝さん(ドラマでは豊川悟)が劇画路線を推進して、水木さんのような貸本劇画で活動していた作家を積極的に起用するようになったという経緯があったのです。
なにはともあれ、私は水木さんの戦争を主題とする作品は読んだことがありませんので、今度是非読んでみたいと思いました。

スポンサーリンク