予告犯 (生田斗真さん)

ikuta08
映画『予告犯』は、筒井哲也さんの同名漫画を実写映画化した作品です。『ゴールデンスランバー』や『白ゆき姫殺人事件』などの中村義洋監督がメガホンを取っています。
生田斗真さんは、ゲイツこと奥田宏明 役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
動画サイトにおいて“シンブンシ”というユーザーネームで、Tシャツ姿に新聞紙を頭に被った謎の男が、集団食中毒事件を起こしたにもかかわらず法律の不備のせいだと開き直って逆ギレ会見をした食品加工会社に対して「食い物の扱いも知らないこいつらに、俺がきっちり火を通してやる」と予告。するとその食品加工会社で火災が発生した。
ネット犯罪を取り締まる警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官・吉野絵里香(戸田恵梨香さん)たちは、謎の予告犯“シンブンシ”の捜査に乗り出す。しかし、警察の動きは全部読まれ、シンブンシは、次々と法では裁かれず見過ごされがちな罪を犯した者たちへ彼なりの制裁を加えていく。
捜査を続ける警察は映像を解析して、シンブンシが単独犯ではなく複数犯であることを突き止める。そんな中、シンブンシの真似をして駅前での殺害予告を実行しようとする者が現れるなど、社会現象を巻き起こすまでになっていく。
そして、シンブンシの制裁の対象は政治家にまで及んでいく。衆議院議員・設楽木匡志(小日向文世さん)がテレビに出演し、匿名掲示板を潰すと宣言したからだ。シンブンシは、ネットの自由を奪おうとしている設楽木を24時間以内に抹殺してやると予告するのだった…。

シンブンシのリーダー的存在で、パソコンやネットに詳しいゲイツこと奥田宏明(生田斗真さん)。関西弁で話す、気さくで面倒見のいい元バンドマン“カンサイ”こと葛西智彦(鈴木亮平さん)。メガネを着用していて、就職経験のない元ニート“ノビタ”こと木村浩一(濱田岳さん)。「はい、了解で~す」が口癖で、お調子者のポッチャリ男“メタボ”こと寺原慎一(荒川良々さん)。そんなシンブンシメンバーの絆が印象的でした。
シンブンシを追いかける、正義への思いが人一倍強い東大卒のエリート女刑事・吉野。彼女は友達のこととして話していましたが、実は子どもの頃に給食費が払えないほど貧乏だったのは自分自身のことだったようです。ゲイツも同じような境遇で、現在の2人の状況を考えますと、光と影といいましょうか、まさに表裏一体のような存在でした。努力して貧乏のどん底から這い上がった吉野はゲイツに対し、自分の境遇を社会のせいにしてネットで神様気取りしてるんじゃないと批判します。しかし、ゲイツのことを調べていくうちに、世の中には“頑張れる人”と“頑張れない人”がいるんだということを理解し始めました。そんな彼女の成長物語としても興味深かったです。
ネットカフェ店員・青山祐一(窪田正孝さん)の「大きなことじゃなくても動くんです、人は。それが誰かのためになると思えば」という言葉も印象的でした。シンブンシメンバーを駆り立てた真の目的もまさにそれでした。終盤で明かされるのですが、その時の私の感想は、正直言って吉野と同じで「たったそれだけ…。それだけのために…?」というものでした。でも「たったそれだけ」で済ませてはいけないことでもあります。もっとうまいやり方があったのではないかと思わずにはいられませんでした。
現代社会の抱える闇が描かれていて、色々と考えさせられました。シンブンシの「俺がこの世で最も憎んでいるものは、おまえたちの中から自尊心を奪い取ろうとする何かだ」といった言葉が頭にこびりついて離れません。

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