獣医ドリトル 最終回 (成宮寛貴さん)

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成宮寛貴さんは、TBS系列にて毎週日曜夜9時から放送されていた日曜劇場『獣医ドリトル』に花菱優 役で出演しました。
一昨日は最終回(第9話)が放送されました。
●あらすじと感想
ドリトルこと鳥取健一(小栗旬さん)の見立てによると、土門家の愛犬・バルザックを助けられる唯一の方法は人工心臓弁の移植で治療費は500万円でした。次男の順平(菅田将暉さん)は父・土門大蔵(國村隼さん)に治療費を払ってくれるようお願いしますが、安楽死が妥当として取り合いません。しかし、バルザックにケガを負わせた張本人である長男の勇蔵(笠原秀幸さん)が治療費と輸血用血液を携えてやって来ました。かくして鳥取は勇蔵にも手伝ってもらい、多島あすか(井上真央さん)とともに手術を開始しました。手術は難航しましたが、なんとかバルザックは一命を取り留めました。
土門親子の揉め事を知った鳥取は、以前、土門が連れてきた大臣のハムスターを手術して預かった時にICUのコードを切られたという事件も関連性があるとにらんで追及しました。それは、花菱アニマルクリニックの獣医を転職させたり、ハムスターの替え玉を用意したりとくだらない過ちを重ねてきた勇蔵の仕業かと思われましたが、犯人は順平の方でした。しかも順平は公園の鴨や捨て犬への虐待も白状しました。父を見ていると獣医に希望を持てなくなると言う順平は、父から獣医になるよう期待し続けられるうちに動物が忌まわしく思えてきたと告白。動物の苦しみや痛みに決して寄り添わず、祖父にさえ安楽死を勧めた父と自分は同じだと涙する順平ですが、鳥取はそれを真っ向から否定します。「おまえの親父さんは、必要も無いのに動物を傷つけたりはしない。それにこれまでに多くの動物たちの命を救ってもきた。親父のせいにして動物を傷つけたおまえとは決定的に違う。おまえがやったことはすべておまえの責任だ」と言う鳥取は、順平に自分で罪を償うよう厳しくいさめました。
一方、花菱優(成宮寛貴さん)は、ブルセラ感染症にかかった犬20匹を安楽死処分するという全日本獣医師会の決定から犬たちを救おうと奔走していました。夕方4時までに感染症にかかった犬の受け入れ先を見つけられなければ、犬たちは安楽死処分されてしまうという状況ですが、全日本獣医師会会長でもある土門の横やりが入り、受け入れ先は見つかりません。富沢教授(石坂浩二さん)は自身の研究所の予算申請を取り下げて、土門の「動物総合医療センター計画」に予算が回る配慮までして、土門に交渉しましたが、土門は応じようとしませんでした。土門は救える可能性のある20匹の犬の命と真摯に向き合うことができずにいるのです。それは自身の父・光蔵(山本學さん)に対しても同じでした。長男の勇蔵が別の病院に勤めようとしていることや、次男の順平が獣医ではなく医学部に進もうとしていること、動物を虐待していたことを知った土門は、重病で入院している認知症の父・光蔵のもとを訪れました。父親に反発をして医学部に進まず獣医の道を選んだ土門は、自分が今度は子どもたちに背を向けられてしまったと嘆きます。獣医の世界で1番になってお父さんを見返してやろうと思ってやって来たのに、このまま何も言わずにお父さんが逝ってしまったら、何のために頑張ってきたのか、一体今まで何を追いかけてきたのかと土門が話しかけると、光蔵は土門の手を握り、労いと謝罪の言葉を口にしました。自分のことがわかるのかと驚く土門に、光蔵は「おまえは私の宝物だ」と言いました。そこへ勇蔵と順平も駆けつけ、祖父と孫の対面も実現。その後、順平は警察に出頭する決意を表明し、勇蔵は土門を必死な形相で呼び止めました。恐らく安楽死処分が決まった犬たちを救ってくれるようお願いしたのでしょう。
鳥取動物病院では、獣医師会の決定に従い、鳥取とあすかと花菱が沈痛な面持ちで安楽死の準備を進めていましたが、まさに実行しようとするその時に、中止の知らせが来ました。土門が東洋感染症研究所で20匹の犬を預かることに同意したのです。土門はさらに「動物総合医療センター計画」を取り下げ、富沢教授の研究所に予算が下りることになりました。
動物愛護法違反で出頭した順平が警察から出てきて、家族と涙の対面をしました。その足でみんなで光蔵の見舞いに行くほどに、土門家はすっかり和解したようです。2週間後、バルザックも元気になりました。
前回、応援要請が来ていてアフリカ行きを臭わせていた鳥取ですが、実際に行くことになったのは花菱でした。花菱は、ゼロからやり直すいい機会で、動物を救う活動を続けてきた自分にとって、アフリカの野生保護は願ってもない仕事だと言います。鳥取は花菱に「おまえは世界一の内科心療医だ」と言い、花菱は「必ず大きな成果を上げて帰って来る」と言って旅立ちました。最終回のサブタイトルの「さらばドリトル!!~」は、花菱視点の言葉だったんですね。
その後、「私、絶対立派な動物看護師になります」と宣言するあすかに、「頑張れよ」と声をかけて思わせぶりに顔を近づける鳥取ですが、額を叩いて「蚊だ」と言って微笑みました。この距離感が2人にはちょうどいいのかもしれません。
あすかは鳥取の親について質問しましたが、鳥取は結局答えませんでした。あすかがバルザックの治療費を自分の借金に上乗せすると申し出た際に、鳥取はそんなことを続けていたらいつかおまえが破綻すると叱り付け、「そうやって金を取らず治療を続けて破綻した医者を俺は間近で見てきた。おめでたい善意は食いものにされるだけで、結局最後は誰も助けてくれない。それが現実だ」と言っていましたが、それは鳥取の親のことだったのかもしれません。鳥取の「獣医はビジネスだ」という口癖は、そうした背景からきているのでしょう。
今回はバルザックも感染症にかかった犬も助かったので、結果よければすべて善しという感じでしたが、バルザックは常識的に考えれば安楽死が妥当な状態でしたし、感染症にかかった犬も、感染拡大防止の観点から見れば安楽死も間違った判断ではありませんでした。そう考えると「安楽死も獣医の仕事だ」という言葉の意味も深く感じました。