借りぐらしのアリエッティ

karigurashi
アニメーション映画『借りぐらしのアリエッティ』の原作は、1952年にイギリスで出版されたメアリー・ノートンのファンタジー小説『床下の小人たち』です。企画・脚本は宮崎駿さんが担当し、監督はジブリで1番上手なアニメーターとして評判の米林宏昌さんが務めています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
14歳の小人の少女・アリエッティ(声:志田未来さん)は、古い屋敷の床下で両親と暮らしていた。彼女たちが生活していく手段は、床上に住む人間に気づかれないようにティッシュペーパーや角砂糖、クッキーなど生活に必要なものを必要な分だけ“借りる”こと。
そんな夏のある日。アリエッティは、病気療養のために屋敷に来た人間の少年・翔(声:神木隆之介さん)に姿を見られてしまう。「人間に見られてはいけない。見られたからには、引っ越さないといけない」というのが床下で暮らす小人たちの生き延びるための掟。「人間がみんなそんなに危険だとは思わないわ」と反発するアリエッティだったが、やがて、穏やかに“借りぐらし”をしていたはずの彼女たちに危険が迫るのだった…。

物語はいたってシンプルです。小人たちの暮らしからアリエッティと人間の少年の出会い、交流と別れが描かれています。
私たちからすると見慣れた普通の生活空間が、小人のアリエッティたちにとっては冒険の世界になってしまうという描写が面白かったです。
家族を養うために危険な“狩り(借り)”に出かける頼もしい父親・ポッド(声:三浦友和さん)、心配性で家族のことを気にかけていて家庭を切り盛りしている母親・ホミリー(声:大竹しのぶさん)、好奇心旺盛で明朗快活な少女・アリエッティなど、古き良き家族像に通ずるものが描かれていて温かかったです。
最初、アリエッティたちが何も返す予定もないのに“借りている”と主張する点には疑問を感じました。しかし、結果論ではありますが、手術を控えた人間の少年・翔が、アリエッティと交流することによって勇気と希望をもらうという展開で、アリエッティは借りを返したのだと妙に納得しました。人間もある意味、自然から恩恵を受けたり、生きるために他の動物を殺したりと借りを作っている割には返していません。そういう意味では、人間と、自然や他の生物との共存についても考えさせられました。
正直に申し上げますと、物語が平坦で物足りなさを感じました。でも、小人の家族がささやかな日常を守るために懸命に生きている姿は、じんわりと胸を打つものがありましたし、借り物を工夫して自分たちが活用できる形に作り直す姿を通して、心の豊かさの重要性も感じました。大きく心を揺さぶられるようなことはありませんでしたが、癒しや励ましが感じられて、心地よく楽しめました。

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