モアナと伝説の海 (Moana)

moana
映画『モアナと伝説の海』(Moana)は、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ長編作品です。監督は、『アラジン』『ヘラクレス』などのロン・クレメンツとジョン・マスカーが務めています。
昨日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
はじまりは海しかなかった。そこへ島の女神テ・フィティが世界に命を吹き込んだ。そんな中、テ・フィティの“心”を手に入れれば力を手にすることができると考える者が現れた。風と海をつかさどる半神半人のマウイだ。マウイは神に与えられた巨大な釣り針の力でどんな生き物にも姿を変えられ、人間からは英雄扱いされていた。そんなマウイによって“心”を奪われたテ・フィティは萎れ始め、恐ろしい闇が生まれた。マウイは溶岩の魔物テ・カァに襲われて、釣り針とテ・フィティの“心”を海の底に落としてしまう。
海を旅する者がテ・フィティの“心”を返して世界を闇から救うという伝説がある南の島モトゥヌイ。その島の族長の娘であるモアナは、幼い頃に海が生き物のように動いて自分に触れるという現象を体験する。その様子を密かに見ていた祖母のタラは、モアナが海に選ばれた特別な少女であると確信する。
大海原への憧れを抱いて育ったモアナだが、島にはサンゴ礁の外に出てはいけないという掟があった。だがある日、ココナッツが病気に侵されたり、魚が獲れなくなるなど、伝説で語り継がれているような闇の影響の気配が島に漂い始める。サンゴ礁の外になら魚がいると考えたモアナは、猛反対の父親に内緒で島の掟を破って沖に出るが、あっという間に大波にのまれて島に押し戻される。海は危険だとして一度は諦めるモアナだったが、彼女の使命を知るタラおばあちゃんから勇気づけられ、テ・フィティの“心”だという光る石を受け取ったことにより考え直す。そして自身の使命を自覚したモアナは、マウイを探し出してテ・フィティの“心”を返させることによって世界を救おうと、島の洞窟に隠されていた舟で再び航海に挑むのだった…。

心優しく正義感が強い少女モアナは、勇気を出して大海原に踏み出すものの、大きな壁にぶち当たって葛藤したり自信を失ったりします。そんな彼女が悩み傷つきながらも、自分の心の声に従って自分の進むべき道を見つけていくところがよかったです。
本作の主人公・モアナは恋に落ちません。モアナは半神半人のマウイと出会いますが、あくまでも目的を果たすための冒険の相棒であり、2人の間に恋愛は芽生えません。そこがまた清々しく、最初は何かと衝突していた2人が、紆余曲折を経て信頼と友情を育むようになるところが興味深かったです。
ユニークなキャラクターたちも見どころの1つでしょう。特にマウイは、最初はやたらと自信満々で鼻持ちならない英雄気取りの男だと思いましたが、次第に実は虚勢を張っているだけだということが見え始め、愛おしささえ感じるようになりました。マウイの体にある動くタトゥー“ミニマウイ”もマウイの本心を表したりしていて面白かったです。
島の歴史や伝説に詳しくてモアナのよき理解者であるタラおばあちゃん、モアナの1度目の出航に同行して波にのまれてしまった経験から海を怖がるようになった子ブタのプア、いつの間にか舟に乗り込んでモアナと一緒に冒険するはめになったトボけたニワトリのヘイヘイ、見た目はキュートでココナッツ姿ですが残忍で宝のために容赦なくモアナたちを攻撃する海賊カカモラ、海底の魔物の国ラロタイに住んでいて自己中心的なうぬぼれ屋で光るものが好きな巨大カニのタマトアなどもいい味を出していました。ちなみに海賊カカモラとモアナたちとの戦闘シーンは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』からインスピレーションを受けたとのことです。
自然や文化との関わりがさりげなく描かれているのも興味深かったですし、海と光の表現がダイナミックで美しかったです。劇中で流れる歌にはブロードウェイで注目の音楽家も参加しています。特に主題歌はモアナの心情などを見事に表現しているとともに大海原に旅立つモアナの応援歌になっていて印象的でした。
エンドロール後、タマトアのその後が少し映し出されます。劇場でご覧になる方はお見逃しのないようお気をつけください。

同時上映の短編映画は『インナー・ワーキング』(Inner Workings)でした。内勤の仕事に就いているポールが、理性派の“脳”と情熱派の“心臓”たちに振り回される様子が描かれていました。
人格を持った臓器たちが欲求に従って動こうとするのを、司令塔の脳が危険回避のためにストップをかけます。しかし、やがて脳もこのままいつもと同じルーティーンをソツなくこなす人生でいいのだろうかと葛藤し始め、ある決断をします。脳や臓器たちキャラクターが可愛らしかったですし、そんな彼らの内乱の様子も面白かったです。ワーク・ライフ・バランス(=仕事と生活の調和)についても考えさせられました。

スポンサーリンク