アナと雪の女王 (Frozen)

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映画『アナと雪の女王』(原題:Frozen)は、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ長編作品です。監督は、『サーフズ・アップ』のクリス・バックと『シュガー・ラッシュ』の脚本家ジェニファー・リーが務めています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想(ネタバレ注意)
アレンデール王国のエルサとアナは、大の仲良し姉妹。でも姉のエルサには秘密があった。それは物を凍らせる不思議な力だ。幼い頃は魔法を手品のように捉えて姉妹2人で遊んでいたが、そんな中エルサは、はしゃぎすぎたアナを助けようとして誤って氷の魔法をアナに当ててしまう。アナは目を覚まさなくなってしまい、それを知った両親の王と妃は、アナを助けるために石のような姿をした不思議な生き物・トロールたちのところへ連れて行って救いを乞う。幸い魔法が当たった場所が頭であったため、トロールの力でアナは回復することができた。その際、姉妹2人で遊んだ楽しい思い出だけを残して、エルサの魔法に関する記憶をアナの頭から消した。
魔法は美しくもあるが危険でもあると痛感したエルサは、それ以来、両親の協力のもと魔法の制御に努める。魔法の力を世に知られぬよう城中の窓や戸や門を閉めて部屋に閉じこもり、誰とも触れ合わずに感情を抑えて魔法の力が出ないようにして暮らすのだ。それにもかかわらず、エルサの魔法の力は日増しに強くなっていき、ますます自分では制御できなくなっていく。エルサの魔法の記憶がないアナは、なぜ突然仲良しだった姉が自分を避けるようになったのか理由が分からずに寂しがる。時は流れ2人は少女から女性へと成長していくが、両親が海難事故で亡くなってしまい、お互いだけが唯一の肉親となってしまう。
それから3年後、エルサがアレンデール王国の女王に即位して、戴冠式がおこなわれることになった。城門が開かれ、アナは久しぶりに人と交流できることに興奮。一方エルサは、感情を抑えて完璧に振る舞わなければならないと考えて不安や緊張感に襲われていた。城の外に出たアナは、南諸島のハンス王子と出会って意気投合し、その日のうちに結婚の約束までしてしまう。その報告を受けたエルサはあまりにも早すぎる展開に驚いて結婚に反対する。するとアナも意地になって2人は口論となり、興奮したエルサは思わず人々の前で魔法を暴発させてしまう。
自分の力を知られて化け物呼ばわりされたエルサは、王国から逃げ出して山奥に向かう。エルサの魔法は無制御のままその力が波及し、夏だった王国は一変して冬となり、雪と氷の世界に閉ざされてしまう。アナは、姉・エルサと王国を救うために立ち上がる。ハンス王子に王国を任せて、エルサの後を追うのであった…。
原案となったのは、1845年にハンス・クリスチャン・アンデルセンが発表した「雪の女王」です。ストーリーは完全オリジナルといえるほど異なっています。第86回アカデミー賞の長編アニメ映画賞と主題歌賞を受賞しました。また、全世界興収でトップ10入りを果たし、アニメーション映画では歴代No.1となりました。
ディズニーアニメ初のダブルヒロインとなっていて、本作の核になる最も大切な要素は、まさに2人の関係でした。アナとエルサそれぞれが魅力的に描かれていて、なおかつ2人の関係もしっかり描写されているところが凄いと思いました。最初は密接だったのにギクシャクして離れ離れになって、その後再び一緒になるという関係が見事に描かれていました。
そして、本作の最大の魅力と言ってもいいのは、ヒロインの歌うミュージックナンバーです。本作のサウンドトラックはビルボードで1位を獲得したとのことです。特に「Let It Go」は、恐怖や恥を忘れて自分の力を発揮して、人が求める自分より本当の自分になるという、エルサを鼓舞する応援メッセージ、ひいては聴く者の心に訴えかけるような楽曲になっていて感動的でした。
エルサは、自分がありのままに生きることが多くの人を傷つけることになってしまうと知ります。アナもまた、自分は物事を表面的にしか見ていなかったことを思い知らされます。そんな2人と彼女たちを取り巻く人たちが繰り広げる“真実の愛”が、ベタでストレートながらも、それだけにぶれずに純粋に描かれていてよかったです。まあ、ラストの都合の良すぎる展開に関しては賛否両論といったところでしょう。
雪や氷の表現がリアルだったり美しかったりで見事でしたし、夏に憧れる雪だるまのオラフをはじめ、山小屋でアナと出会うクリストフと相棒のトナカイのスヴェン、他国の王子で13人兄弟の末っ子であるハンスなど、脇を固めるキャラクターもそれぞれにいい味を出していました。音楽や映像が素晴らしく、笑えて感動できる作品だと思いました。

同時上映は、短編アニメーション『ミッキーのミニー救出大作戦』(原題:Get A Horse!)でした。1995年の『ミッキーのアルバイトは危機一髪』以来18年ぶりに作られたミッキーマウス・シリーズ作品です。ミニーを助けるために、ミッキーマウスが天敵・ピートを相手に奮闘するお話でした。スクリーンの中と外で世界が区別され、クラシックなモノクロ映像と現代的な3D映像が交錯していて面白かったです。

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