シュガー・ラッシュ:オンライン (Ralph Breaks the Internet)

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映画『シュガー・ラッシュ:オンライン』は、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが製作する57作目の長編作品であり、『シュガー・ラッシュ』の続編です。
先月、劇場に観に行きました。以下ネタバレ注意です。
本作では、前作で親友になったヴァネロペとラルフのその後が描かれていました。ある日、ヴァネロペのレースゲーム「シュガー・ラッシュ」に必要不可欠なハンドルが壊れてしまい、そのゲーム機自体がゲームセンターから撤去されることが決まってしまいました。それを防ぐため、ラルフとヴァネロペはネットオークションにあるというそのハンドルを調達しにネットの世界へ行きます。
その世界は、ネットショップやSNSのビルが立ち並び、カラフルで広大な大都会で、ネットユーザーたちはアバターを介してカプセルのような乗り物で移動したりしてます。そして様々なエリアがあり、ディズニー関連のキャラクターが暮らす街「Oh My Disney」では、ディズニーのプリンセスたちがイベントに引っ張りだこ。近年のアナやエルサ、ラプンツェルはもちろんのこと、白雪姫やシンデレラ、眠れる森の美女のオーロラ姫たちも登場しました。ピクサー作品『メリダとおそろしの森』のメリダ王女が若干よそ者扱いされているのも面白かったです。またダンボやベイマックスはもちろんのこと、『スター・ウォーズ』シリーズのストームトルーパーやマーベル・コミックのアイアンマンまで登場し、ピクサー、マーベル、ルーカスフィルムを買収したディズニーの凄さを改めて実感しました。
ネットの住人たちも個性豊かで魅力的でした。超過激レースゲーム「スローターレース」のキャラクターで強さと優しさを兼ね備えたカッコいい女性シャンク、人気動画サイト「バズチューブ」のカリスマ運営者でウェブの機能を熟知してトレンドにも敏感なイエス、「検索バー」のカウンターで気さくに相談に応じるサーチエンジンで相手が質問を言い終わらないうちに推測で答えてしまうノウズモア、ポップアップ広告を掲げながら街角に立って人々を特定のウェブサイトに誘導することを生業とする男でネットの闇社会ともつながりがあるJP・スパムリーなどが特にいい味を出していました。
本作では、新たな価値観との出会いにより、ヴァネロペとラルフの間に溝が生まれてしまいます。次何が起こるか分からない生活がしたいヴァネロペと、毎日同じように過ごすことが夢のラルフは、次第に心がすれ違っていくのです。シャンクがヴァネロペに言った「親友だからって、自分と同じ夢を持ってるとは限らない」という言葉や、「どんな友情も変わっていくの。でも変わることで強くなることもある」という言葉が印象的でした。前作では友達を見つけることの大切さが描かれていましたが、本作ではその友情を長い人生の中でどう保ち続けるのかについてが描かれていました。人生には、出会い、別れ、そして再会がたくさんあるものです。そんなことを考えさせられる物語でもありました。

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