義母と娘のブルース 最終回 (上白石萌歌さん)

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上白石萌歌さんは、TBS系列の毎週火曜夜10時枠にて放送されていた火曜ドラマ『義母と娘のブルース』に宮本みゆき 役で出演しました。
先日は最終回(第10話)が放送されました。
●あらすじと感想(ネタバレ注意)
元キャリアウーマンの宮本亜希子(綾瀬はるかさん)は、「ベーカリー麦田」店長・麦田章(佐藤健さん)からプロポーズされるも丁重に断った。亡くなった夫・良一(竹野内豊さん)のことがいまだに忘れられないこと、娘・みゆき(上白石萌歌さん)のおかげで日々満たされていることがその理由とのこと。
そんな矢先、良一の上司だった笠原廣之進(浅野和之さん)から連絡がある。コンサルティング会社から亜希子に引き抜きの話があるという用件だった。興味を持ち笠原と直接会って話を聞く亜希子だったが、勤務地が大阪になると知って断る。「ベーカリー麦田」の仕事を放り出すわけにはいかないこと、そして何よりみゆきを一人にするわけにはいかないと考えたからだ。そんな話をする中、亜希子が突然倒れて病院に運ばれる。原因は寝不足で大事には至らなかった。麦田とみゆきが病院に駆けつけ、付き添っていた笠原と会う。亜希子自身は隠していたが、麦田とみゆきは亜希子にスカウト話があることを笠原から知らされる。
みゆきは第一志望の大学に合格したが、亜希子や黒田大樹(井之脇海さん)には落ちたと報告。残りの他の大学受験はわざと手を抜いて次々と落ちるのだった…。
みゆきの狙いは、自分が自立すれば亜希子にやりたいことをさせてあげられるというものでした。大学受験にすべて落ちたことにして就職し、社会人として一人暮らしを始めることで亜希子を自由にしてあげようと考えたのです。それを知った亜希子は、みゆきと率直に語り合いました。亜希子は自身が小学3年生の時に事故で両親を亡くしたことを明かし、一人で生きるためにひたむきな努力をしてきたものの、いつの間にか心にぽっかりと穴があいていて、そんな時に良一と出会ったことを話します。良一はみゆきの母親になる人が欲しくて、亜希子は心の穴を埋める存在が欲しくて、良一の提案に乗って結婚。みゆきが生意気で強がりで可愛すぎてはじめは娘だなんて思えなかった亜希子ですが、良一に心配かけまいと我慢しているみゆきを見て「この子は私なんだ」と思いました。みゆきを安心させてやりたい、思い切りわがままを言える場所を与えてやりたい、私が欲しかったものを全部この子にあげたいと考えました。そのうちにみゆきが笑えば自分まで笑っているような気になり、みゆきが傷つけられると自分が傷つけられたかのような怒りを覚え、みゆきが褒められるとまるで自分が褒められたかのように舞い上がりました。亜希子はみゆきと自分を混同した状態に至ったと告げ、「要するにあなたを育てると口では言いながら、私はその実、満たされなかった自分を哀れみ育て直していたんです。あなたは私に利用されただけ。私はそんな女です。だから恩に着る必要など何一つないんです」と言いました。それを聞いたみゆきは涙ながらに「そういうの、そういうのね。世間じゃ“愛”って言うんだよ」と教えました。それから改めてやりたいことをやってほしいと伝え、「お母さんが凄いねって言われたら、私きっと自分が凄いねって言われたような気になると思うんだよ」と言い、お母さんと同じ気持ちが自分の中にもあるんだと告げて亜希子に抱きつきました。
結局、みゆきは大学に行くことにしました。亜希子もスカウト話に乗って大阪行きを決めました。麦田もちょうど同じことを考えていて、亜希子の輝ける場所はもっと別にあるとして、背中を押してくれました。
マンションを引き払い、みゆきは一人暮らしをすることになりました。「ベーカリー麦田」でアルバイトすることも決まりました。営業部新米として亜希子の仕事を引き継ぐようです。亜希子とみゆきはお互いに「行ってらっしゃいませ。では行ってまいります」と言って別れたものの、すぐに再会することとなります。亜希子が大阪行きの新幹線の切符が見当たらなくて、みゆきのカバンの中にないかと確認しに戻ってきたのです。みゆきが亜希子の持っていた本に切符が挟んであるのを発見します。それから2人がその切符を確認したところ、「東京(発)⇔東京(着)」と印字されていて、亜希子がいぶかしげに「奇跡?」と呟いたところで物語の幕は閉じました。
“義母と娘”の10年間の物語がしっかりと描かれていて素晴らしかったです。“ブルース”、“奇跡”も最後まできちんと活用されていて見事でした。登場人物もみんな生き生きとして人間味があふれていて魅力的でした。小学生時代のみゆきから高校生時代のみゆきへの移行も違和感がなくマッチしていてよかったです。