妖怪人間ベム 最終回

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日本テレビ系列にて毎週土曜夜9時から放送されていた連続ドラマ『妖怪人間ベム』が一昨日、最終回(第10話)を迎えました。
●あらすじと感想
ベム(亀梨和也さん)、ベラ(杏さん)、ベロ(鈴木福さん)は、名前の無い男(柄本明さん)と合体して“悪”の心を取り込むことが人間になる唯一の方法だと名前の無い男から知らされました。
葛藤するベムたちでしたが、夏目章規(北村一輝さん)たちに誘われて一緒に行ったコンサート会場で事件に巻き込まれ、心を決めました。事件は現金輸送車を強奪した犯人が、警察に追われてコンサート会場に逃げ込み、会場にいる人たちを人質にして立てこもるというものでした。今回事件を起こした犯人たちは、名前の無い男に声をかけられたものの、例の悪の感情を解放する緑色の液体は入れられていなかったようです。たとえベムたちが合体して名前の無い男による人間に対する悪の解放が無くなっても、人間は弱い生き物ゆえにちょっとしたことですぐに悪が芽生えてしまう。自分たちが人間になったら、年を取って亡くなることになり、人間が悪の心に負けた時に止めてあげることができなくなってしまう。そのように考えたベムたちは、人間になりたいが人間にならないという答えを出しました。そしてベムは、人間の悪を解放することはやめられないと言う名前の無い男と対決します。杖を相手の胸に突き刺すことによってベムは名前の無い男に勝利しました。そもそも杖は細胞を付着させることによって人間となるものだったそうで、元々は1つの細胞であるベムたちと名前の無い男が分裂してしまったため、今では細胞を吸い寄せる働きしかありません。名前の無い男の細胞は杖に吸い寄せられて朽ち果てました。杖のその働きは、名前の無い男が夏目を挑発する時に明かしましたが、わざとベムたちにも分かるように言ったのかもしれません。「私も早く人間になりたい」と言っていた名前の無い男ですが、もしそれが叶わないのなら一思いに自分を消してほしいという考えもあったのかもしれません。名前の無い男は死に際に「同情しますよ。あなた方を待ち構えている未来を思うと。私は幸せだ。ようやく死ねる」とベムたちに言いました。
今回のコンサート会場の事件で、ベムたちは「助けを必要とする人間を見過ごすことはできません。そんなことをしたら、俺たちはただの妖怪になってしまう」ということで、人間たちを助けるために夏目家や緒方家の人たちをはじめ大勢の前で正体をさらしてしまいました。心配する夏目に「いつまでもそばにいますから」という言葉を残して会場を後にしたベムたちは、その後名前の無い男を倒した際に、研究所にあったろうそくの火が原因で火事になって炎に包まれて、そのまま消息不明となってしまいました。研究所は全焼し、夏目はベムの帽子、ベラの髪飾り、ベロのゴーグルを見つけ出し、ベムたちの隠れ家のテーブルの上に並べて置きました。3人は姿を現さなくなりましたが、どうやら生きていたようです。後日、夏目が追跡中の犯人に隙をつかれて背後から発砲された際に、何者かに助けられ、犯人も倒されていました。それはきっとベムたちがやってくれたに違いないのです。
人間になるという道は閉ざされてしまいましたが、自分たちの生きる道を見つけたベムたち。太陽にはなれませんでしたが、夜空の月として、暗闇の中で不安を感じている人間にこれからも光を灯していくのでしょう。
ベムが犯人たちに言った「生きていくのが苦しくなることもあるだろう。そんな時、人間は悪の心を持ってしまう。だがそれにあらがい、必死に生きていこうとできるのが人間だ。投げ出さないでくれないか? 人間であることを」というセリフが印象的でした。私も自身の悪の心に打ち勝ち、必死に生きていこうとあらためて思いました。