- 2007年10月29日
上戸彩さんは、毎週水曜夜10時日本テレビ系列にて放送されていた連続ドラマ『ホカベン』に堂本灯 役で出演しました。
昨日は第10話(最終回)が放送されました。
●あらすじと感想
正義感が強く、理想に燃える、なりたてホカホカの新米弁護士の成長を描いたドラマ『ホカベン』。
最終回である第10話は、第9話に引き続き、杉崎忠志弁護士(北村一輝さん)への懲罰的損害賠償訴訟のお話でした。
法曹界が、いわば身内でもある弁護士自身を懲罰するための訴訟を起こすということは過去に例がなく、これが認められれば日本の裁判システムを揺るがす大問題。原告側の弁護士・不破憲一(勝村政信さん)は何者かに刺され、全治1カ月の重傷で絶対安静の身に。堂本灯(上戸彩さん)は敵対することになるエムザ法律事務所を辞め、不破に代わって、原告・鈴木政恵(伊佐山ひろ子さん)の代理人を引き受けることにしました。これは訴えられている杉崎の希望でもあり、杉崎は自身が裁判に負けることにより、自分の弁護士バッジと引き換えに、怠慢な警官、検事、裁判官、教師、自分の利益しか考えない強欲な弁護士、国に不利益をもたらす政治家の罪を問うことができるような裁判システムへ変えることができるのではないかと考えたのです。灯も、押しかけてきたマスコミに、この裁判を通して弁護士の正義を問いただすと宣言。不破と同じように危険な目に遭いながらも、杉崎の密かな協力を得て、灯はエムザ法律事務所を相手に裁判で互角に渡り合います。公判の中での灯の「弁護士は依頼人を信じることができる。そして、信じた結果については、その責任を負うのは当然だと思います」や「法律とは人の思いを守るためにあるべきものじゃないんですか」との言葉が印象的でした。
そして、1年が経ち、判決の日を迎えました。杉崎に「いい弁護士になれよ」と言われた灯は「私は杉崎先生のような弁護士になります」と答えました。ここでのポイントは“いい弁護士”。同期の片瀬理一郎(加藤成亮さん)が目指している“いい弁護士”とは“優秀な弁護士”のことであって、灯の目指している“いい弁護士”とは意味合いが違います。片瀬は判決前に「おまえと俺、どっちがいい弁護士になれるか勝負だと思っているから」と灯に言っていましたが、2人の“いい弁護士”の定義がそもそも違うので、本当の意味での勝負にはならないような気がします。
灯は最後に次のように決意しました。「法律は人がつくった道具だ。ずるい人が使えば、人を騙す道具になる。悪い人が使えば、人を殺す武器にもなる。でも私は、日々のささやかな平和を、幸せを、人と人との温かな思いを守るために法律を使いたい。人の心を守れるようなそんな弁護士になりたい」
ドラマは、判決を言い渡す前に終わってしまいました。視聴者それぞれに何かを感じ、考え、想像してもらうという意味が込められているのでしょう。