- 2013年3月17日
一昨日、フジテレビ系列にて、金曜プレステージ『鯨とメダカ』が放送されました。田中邦衛さんは二宮茂 役で、志田未来さんは今井サチコ 役で出演しました。
『鯨とメダカ』は、生きがいを失った老人と家庭環境から進路に悩む中学生が、60歳の年の差を超えた友情を通じて、それぞれ新しい自分の生き方を見出していくという人間ドラマです。
●導入部のあらすじと感想
クルーザーなどを製作販売する会社「二宮発動機」の社長・二宮茂(田中邦衛さん)は、裸一貫で商売を立ち上げ、75歳の今もその座を譲ることなく仕事一筋に生きていた。
そんなある日、茂に大きな転機が訪れる。臨時取締役会で、副社長である息子・太一郎(高橋克実さん)が緊急動議を行い、全員一致で社長の座を追われたのだ。
その帰り道、運転手付きの車を断り電車に乗った茂は、マナーの悪い男子高校生たちを痛快に戒める15歳の女子中学生・今井サチコ(志田未来さん)と出会う。
サチコは、東京・浅草に古くからあるせんべい屋で、祖母の初(八千草薫さん)、母親の艶子(余貴美子さん)と共に暮らしていた。初は恋愛にうつつを抜かす艶子には店を継がせられないから、中学卒業とともにサチコに跡を継がせると言って、サチコの婿探しに張り切っていた。しかし、サチコは高校に行きたいという気持ちを抱えていたのだ。そんな事情を知った茂は、せんべい屋を訪れ、初を説得しようとするのだった…。
タイトルにある“鯨”とは、社長として世間という大海を泳ぐ鯨、すなわち、茂のことを指し、“メダカ”は、自分の周りの小さな世界で泳ぐメダカ、すなわち15歳の少女・サチコを指しています。ゆったりと大海を泳いでいるように見える鯨も孤独といった悩みを抱えていて、メダカの方も小さな場所で仲間と群れて泳ぐしかないという自らの限界を感じ悩んでいます。そんな全く違う世界で生きてきた鯨(茂)とメダカ(サチコ)が出会い、互いに影響を与え合うことによって、それぞれが生きる道を見出していく過程は、面白くもあり感動しました。
茂は「鯨とメダカ、どちらが幸せなんだろう。多分、それはどちらも少し不幸で、どちらも少し幸せだ」と悟りました。
友情を通じて、今が楽しいことや未来を歩く楽しさを学んだ茂と、限界など気にせず思いっきり泳ぐ(生きる)ことの大切さを学んだサチコ。
サチコは店の手伝いをしながら、希望の高校に入るために勉強を頑張ります。
そして、「たくさんの人と出会い、しゃべり、笑い合い、思い切り楽しんでやる。生まれたところに戻るまでが人生。二宮茂、75歳。私の人生はこれからだ」という茂は、ゴミ拾いボランティア活動、英会話教室、少年剣道の指導に励みます。
鯨もメダカも必死に泳ぐことには違いはありません。どちらも輝いていました。