横道世之介 (高良健吾さん & 吉高由里子さん)

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映画『横道世之介』は、吉田修一さんによる同名小説を映画化した作品です。
高良健吾さんは主人公の横道世之介 役で、吉高由里子さんは世之介のガールフレンド・与謝野祥子 役で出演しています。
先日、試写会で鑑賞しました。今週末2月23日に全国公開予定です。
●導入部のあらすじと感想
長崎県の港町で生まれ育った横道世之介(高良健吾さん)は、大学進学のために上京した。入学式で声をかけてきた倉持一平(池松壮亮さん)とラテンアメリカ研究会というサンバのサークルに入ったり、ひょんなことから知り合いになったパーティーガールの片瀬千春(伊藤歩さん)に夢中になったりして学生生活をスタートさせた世之介。勘違いで声をかけて知り合いになった加藤雄介(綾野剛さん)をきっかけにダブルデートすることになり、与謝野祥子(吉高由里子さん)と出会う。世之介と祥子は親しくなっていくのだった…。

いつも汗だくで、ちょっとお調子者で、そのくせ要領が悪くて、どこかずれている世之介。彼は目の前で起きている事や人そのものを素直に受け入れて、自分のやり方で真剣に接していくイイ人です。本作はそんな世之介と彼にかかわる人たちの青春時代とその後の人生が描かれています。
青春時代といっても1987年の春に始まり1年間ぐらいの出来事です。その間にさらに16年を経た後日談が挟み込まれていて、その構成が絶妙でした。
大学の同級生でやけにフランクに話しかけてくる倉持、デートの待ち合わせ場所に黒塗りの高級車で現れるお嬢様の祥子、世之介が憧れる謎めいた年上の女性・千春、大学の同級生で女性に興味が無い加藤など、世之介の周りの人たちも個性があって、世之介とともにユーモアに富んだ物語を紡いでいます。
自分の学生時代にも、一緒にバカやったり笑ったりして楽しい時間を過ごした友人がいました。本作を観て、私のように自分の思い出と重ね合わせる人も多いことでしょう。でも不思議なことに、なんでもないと思っていた日々のことも、振り返ってみると、意外と意義のあることだったりします。本作でも、世之介はかかわった人たちの人生に意外と影響を与えていたりしますし、世之介自身も、ひょんなことから知り合いになったアパートの隣人・室田恵介(井浦新さん)から大きな影響を受けることになります。
16年後の加藤が、世之介のことを知らない人に「あいつ(=世之介)に会ったって事だけで、おまえよりだいぶ得してる気がしたよ」と言って喜ぶ場面が印象的でした。本作を観た人にとっても、世之介は、思い出すたびに微笑んでしまい、ある意味いとおしい存在になっていることでしょう。