メリダとおそろしの森 (Brave)

merida

映画『メリダとおそろしの森』(Brave)は、ディズニー/ピクサーによる3Dアニメーションです。ピクサー史上初の女性主人公の作品です。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
中世のスコットランドのとある王国。メリダは弓を射つことが得意で活発な王女だ。そんな彼女を王である父・ファーガス王は誇りとしていたが、母・エリノア王妃は将来が心配でたまらない。エリノア王妃はおしとやかに育てようとするが、自由を愛するメリダはしばしば反発。ついには結婚話をめぐって衝突し、メリダは城を飛び出してしまう。
そして、逃げ込んだ森でメリダは鬼火を目にする。鬼火に誘われるようにして森の奥深くへと入り込み、魔女の家にたどり着いたメリダは、母の考えを変えてほしいと魔女にお願いする。すると、エリノア王妃が王国の宿敵ともいえる存在である熊に姿を変えられるはめになり、さらに王国は滅亡の危機にさらされてしまうのだった…。
何事においても意見の食い違う母と娘が、奇想天外な出来事を体験することによって心を通わせていくというお話です。
メリダは、なりたい自分と王女として自分に与えられた役割の違いにジレンマを感じていました。そんなメリダが、自分で決めたことを信じて、目の前のことに全力で取り組み、困難に立ち向かっていく勇気を手にしていく過程は面白かったです。メリダが母の考え方の変化を感じて「変わったのね」と言ったことに対し、エリノア王妃が「あなたも変わった」と答えたのが印象的でした。母の考え方を変えようと奮闘していたメリダですが、実は自分が変わることによって相手も変えることができたのです。
運命に縛られていると感じていたメリダですが、最後には次のように結論付けて物語は締めくくられます。「運命は私たちの中にある。それを見つめる勇気を持てばいいだけだ」。まさにメリダの成長ぶりが感じられる言葉でした。

同時上映の短編映画は『ニセものバズがやって来た』と『月と少年』でした。『トイ・ストーリー3』後の世界を描いた『ニセものバズがやって来た』はもちろんのこと、ほぼセリフのない『月と少年』も発想と表現が素晴らしくて面白かったです。