- 2008年11月4日
堀北真希さんは、TBS系列の毎週日曜夜9時枠にて放送されている日曜劇場『おやじの背中』の第5話「ドブコ」に丸井三冬 役で出演しました。
一昨日にその第5話が放送されました。
●導入部のあらすじと感想
丸井三冬(堀北真希さん)は、悪役専門役者の正(遠藤憲一さん)を父に持つ女性警察官だ。父の当たり役“ドブネズミ”がきっかけで、三冬は子どもの頃から友人たちに「ドブコ」と呼ばれている。
ある日、三冬は同じ警察官で幼馴染の親友・佐々木勝(溝端淳平さん)から、自分の結婚式には出ないで欲しいと言われる。婚約者の静香(谷村美月さん)が、勝と仲が良すぎる三冬を嫌がっているという。しかも、来週には友人であることもやめて欲しいと言われたというのだ。
戸惑いながらも納得しようとする三冬は、そのことを母・弓子(薬師丸ひろ子さん)に話してしまう。すると、弓子によってその話は父・正にも伝わる。正は三冬に内緒で勝を警察署から連れ出した。目的は勝からの一方的な友人関係解消話に一言物申すためだ。それを知った三冬は激怒して、逃げ出す正を追いかけて取り押さえる。三冬が警察官の制服を着たままだったため、その現場を見た街の人たちは犯人逮捕であると誤解。ちょっとした騒動となってしまう。
その日、正は三冬と一緒に帰宅するが、その帰り道、通りすがりの子どもにつかまり、いつものように悪役を演じて相手をする最中に、突然苦しみだして倒れ込む。三冬は、いつものように演技だと思って最初は無視するが、本当だと気づいて急いで救急車を呼ぶのだった…。
本作は、10名の脚本家が週替わりで脚本を手掛ける一話完結形式のオムニバスドラマです。第5話「ドブコ」は、『野ブタ。をプロデュース』、『Q10』などで知られる木皿泉さんが脚本を務めました。
大事にはいたらなかったものの、正が倒れたことをきっかけに、三冬は“ずっと続くと思っていたものにも終わりがある”ということを実感します。「なんで私がいいって思うことは、ずっとずっと続かないのかな」と嘆く三冬に対して、正が諭すように言った「そりゃおまえ、生きてるからだよ。ずーっと子どものままじゃいれないし、人はいずれ死ぬようにできてる。変わってくんだよ。俺もおまえも。勝も勝と結婚する奴も。ここに住んでる奴みんなそうだよ。変わんのが嫌だって怖がっててもしょうがねえよ」というセリフが印象的でした。
切られる役ばっかりやってきた正が、一度だけ自分から切ったことがあるという相手と、その理由が面白かったです。三冬が子どもの頃、正は、一緒にお風呂に入ることを三冬から拒否される日が来るのが怖くて自ら拒絶しました。自分から切ったとはこのことを指していて、相手は三冬だったのです。でも、成長した三冬と向き合った正は、自分も変わらなければいけないと思ったのでしょう。いずれ訪れるであろう三冬のお嫁行きのことを匂わして、「今度は逃げずに切られてやるからな。見事に切られてやるからな」と三冬に宣言しました。その後「星影のワルツ」を歌いながら歩く正の背中は、三冬が思うように“無防備”でしたし、何とも言えない哀愁を帯びていました。