あさひなぐ (西野七瀬さん)

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映画『あさひなぐ』は、小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』にて連載中のこざき亜衣さんによる同名漫画を実写映画化した作品です。『ハンサム★スーツ』などの英勉監督がメガホンを取っています。
乃木坂46の西野七瀬さんは、主人公・東島旭 役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想(ネタバレ注意)
春、二ツ坂高校へ入学した東島旭(西野七瀬さん)は、ひょんなことから1学年上の先輩・宮路真春(白石麻衣さん)と出会う。それから新入部員勧誘の部活紹介における薙刀部のリズム薙刀(=薙刀を使った演舞)の美しさ、そして実は薙刀部部員だった真春のその強さに憧れ、薙刀部入部を決意する。
かくして薙刀部には、旭、八十村将子(桜井玲香さん)、紺野さくら(松村沙友理さん)の3人が入部した。2年生の野上えり(伊藤万理華さん)や大倉文乃(富田望生さん)たちは「練習は楽で運動神経がなくても大丈夫」といった誘い文句を言っていたが、実際は真逆で稽古は過酷だった。しかし次第に旭たちは部に馴染んでいく。
やがて3年生にとって最後となるインターハイ予選を迎える。二ツ坂は順調に勝ち進んで決勝まで駒を進めたが、ダークホースの國陵高校に敗れてしまう。國陵を勝利に導いた立役者は、熊本から転校してきた1年生の一堂寧々(生田絵梨花さん)だった。
後日、二ツ坂は野上えり新部長のもと再スタートを切った。剣道経験者である将子と器用で飲み込みの早いさくらは上達してきたが、元美術部で運動音痴の旭は一向に上達しない。旭の努力を知っている真春は、旭に稽古をつけて励ます。
そんな中、薙刀に関しては全くの素人で名ばかりの顧問である小林先生(中村倫也さん)の提案で夏合宿をすることになる。それは、山奥の尼寺「白滝院」で薙刀教士の称号を持つ僧侶・寿慶(江口のりこさん)による厳しいしごきだった。
地獄の夏合宿を経て一回り大きく成長した二ツ坂は、秋の大会に挑む。真春たちの前に立ちはだかるのは、やはり一堂寧々のいる國陵だった…。
高校生の部活動としてはマイナーな部類である“なぎなた”を題材にしていて新鮮でした。
ドジで運動音痴なものの不撓不屈の根性を持つ旭、容姿端麗かつ薙刀部のエースですが勉強はからきしだめな真春、部のまとめ役ですが試合では引き分け狙いの消極的な性格のえり、心も体も大きく意外と俊敏な文乃、勝気で言葉はきついが情に厚い将子、お嬢様で天然ボケな面があるさくらなど、二ツ坂高校薙刀部の面々はもちろんのこと、マイペースで陽気な性格の小林先生、真春の弟でかつて薙刀をやっていたことがあり旭とはお互い気になる仲である宮路夏之(森永悠希さん)、厳しくも愛のある指導を行う寿慶、負けず嫌いで攻撃的な性格である國陵の孤高のエース・寧々など、周りの登場人物もいい味を出していました。
本作に登場する稽古や試合のシーンはほとんどが吹き替えなしで撮影されたそうです。立ち方、打ち方、逃げ方、姿勢などがきちんとキャラクターに沿ったものになっていてよかったです。残念だった点は、これは競技上仕方のないことですが、試合のシーンでは面をかぶっているので、場面によっては人が判別しづらかったことです。
あることをきっかけにして、えりたちは真春に対する思いが“信頼”ではなく“依存”だったことに気付いて愕然とします。そんな状況を改善するべく真っ先に動き出したのは、意外にも普段は引っ込み思案に見えた旭でした。さくらが合宿でめげそうになった時も、旭の頑張る姿がさくらの心を動かしました。寿慶や真春は気付いていましたが、愚直で努力家の旭が、実は部で一番精神的に強いのです。そんな旭が自身の強さに気付かずに歩みが遅いながらも“強くなりたい”と高みを目指すところがなんとも健気で可愛らしかったです。

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