キングスマン (コリン・ファース)

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映画『キングスマン』( Kingsman: THE SECRET SERVICE)は、『キック・アス』、『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』などのマシュー・ヴォーン監督がメガホンを取っています。
英国王のスピーチ』などのコリン・ファースが主演を務めています。
先日、試写会で鑑賞しました。来週11日から全国公開されます。
●導入部のあらすじと感想
ロンドンにある高級オーダーメイドスーツ専門店「キングスマン」の裏の顔は、どこの国にも属さずいかなるしがらみもない世界最強のスパイ機関だ。
ある日、メンバーの一員であるコードネーム“ランスロット”がある組織を追う中、アルゼンチンでアーノルド教授(マーク・ハミル)の救出を試みたが失敗して命を落とす。
ランスロットの交代要員の選考が始まり、17年前に自身のミスのせいで当時の優秀な候補生を死なせてしまっていたコードネーム“ガラハッド”ことハリー・ハート(コリン・ファース)は、その息子ゲイリー・“エグジー”・アンウィン(タロン・エガートン)に白羽の矢を立てる。話を聞いたエグジーは諜報員になることを決断し、他のエリート候補生たちと共に過酷な試験に挑む。
そんな中、著名人や政治家が次々と失踪する事件が発生。なぜか失踪扱いになっていなかったアーノルド教授のもとへ調査に行ったハリーは、命からがらある情報を入手する。それは、天才的エンジニアでIT富豪のリッチモンド・ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)が事件に関与していることだった…。
ランスロット殉職による欠員補充。キングスマンの長であるアーサー(マイケル・ケイン)は、貴族階級からの選出を望んでいるようでしたが、ハリーはいわば平民であるエグジーを候補生として抜擢しました。それは彼の「マナーが人間をつくる」という信念に基づいた選択でした。ハリーは、貧しい育ちでも学ぶ意欲さえあれば変われるとし、何よりもエグジーの将来性、忠誠心、正義を信じる心を評価したのです。そんなハリーがエグジーに、大事なのは自信を持てるかどうかであって、他人ではなく過去の自分に勝つことに意義があることを諭したのが印象的でした。
キングスマンの新人試験は、就寝中に突然部屋に水が押し寄せて天井まで浸水したり、厳しい状況下でのスカイダイブなど困難を極めます。試験監督であるマーリン(マーク・ストロング)が「大事なことはチームワークである」と教えますが、ライバル関係にある候補生たちはなかなかそれが理解できません。そんな中、エグジーとロキシー(ソフィー・クックソン)だけがチームワークを理解して体現してみせます。それは物語の終盤のチームプレイにも繋がっていて見事でした。
一番の見どころはやはり諜報員たちのアクションシーンでしょう。特にハリーの無駄な動きのないクールでぶっ飛んだアクションは凄かったです。傘やライター、靴、ペンをかたどったいわゆるスパイ・ガジェットも効果的に使われていてカッコ良かったです。
今回の敵のボスとも言えるヴァレンタインは、意外にも武闘派ではなく血を見るのも苦手です。その代わりと言っては何ですが、彼の側近であるガゼル(ソフィア・ブテラ)が、鋭利な義足を武器に華麗な戦いを見せてくれます。特に終盤でのエグジーとの戦いは、手に汗握ってハラハラしました。
色々突っ込みどころがあり、R15指定が入っているだけに暴力的・猟奇的シーンもあります。そうした要因から好き嫌いがはっきり分かれそうです。個人的にはスタイリッシュでスピーディなアクション、ブラックジョーク、エグジーのサクセスストーリー等に魅了されました。