英国王のスピーチ (コリン・ファース)

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映画『英国王のスピーチ』(原題:The King’s Speech)は、第83回アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞の4冠を達成しました。
アカデミー主演男優賞を受賞したコリン・ファースは、英国王ジョージ6世 役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●あらすじと感想
吃音に悩むヨーク公アルバート王子(のちの英国王ジョージ6世=コリン・ファース)が、言語聴覚士であるオーストラリア出身のライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)やエリザベス妃(ヘレナ・ボナム=カーター)と共に吃音症と立ち向かいながら、国民に愛される国王として成長していくヒューマンドラマです。

静かで味わい深い映画でした。物語の表面だけを取り出すと、吃音に悩んでいる人が周囲の力を借りながらスピーチの練習をして、なんとかスピーチできるようになったというシンプルなお話ですが、内面にはいろいろな要素が詰まっていました。ジョージ6世が吃音を抱えたまま大人になるに至った原因ともいえる幼年時代のつらい経験や環境が明かされる場面は印象的でした。望まずとも大英帝国の国王という大変な重責を引き受けざるを得なくなってしまったジョージ6世は、さまざまな葛藤を抱えながらもその苦難に立ち向かっていきます。たとえ王室ならではの苦しみは理解できなくても、弱みや欠点を抱えた一人の男の人間ドラマとしては誰しもなにかしら感じるところはあるでしょう。そして、ジョージ6世と吃音の治療にあたるライオネルの心の交流も印象的でした。身分が違いすぎる2人は衝突しながらも信頼関係を築き上げていきます。国王になる資格がないと悩むジョージ6世と、実はドクターの資格がないライオネル。しかし、ジョージ6世はライオネルから、大切なのは地位や資格ではなく、志や勇気だということを教わります。もちろん経験と実力も伴っていかなければならないわけですが、ジョージ6世はライオネルのおかげでその大切な一歩を踏み出すことができたといえるでしょう。2人の信頼関係の結実ともいえるラストのラジオ放送のシーンは感動的でした。エンターティンメントとしてはやや盛り上がりに欠けている感は否めません。しかし、本作は派手さはないものの、じんわりと心に染みてくる後味の良い映画なのです。随所にユーモアがちりばめられた脚本や演出、そして俳優たちも素晴らしさかったです。

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