ちはやふる 上の句 (広瀬すずさん)

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映画『ちはやふる-上の句-』は、末次由紀さんの同名漫画を実写化した2部作の前編です。
広瀬すずさんは綾瀬千早 役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
綾瀬千早(広瀬すずさん)、真島太一(野村周平さん)、綿谷新(真剣佑さん)の3人は幼馴染だ。
小学生の頃、千早は転校生の新に感化されて“競技かるた”を始め、太一も千早と親しくなった新への対抗意識から競技かるたを本格的に始める。しかし、新は家の事情で再び福井へ転校して千早や太一と離れ離れになり、太一もまた私立中学に進学して千早と疎遠になった。
高校生になった千早は、瑞沢高校に競技かるた部を立ち上げるべく奔走していた。一方、太一も千早と同じ瑞沢高校に進学していた。サッカー部に入るつもりであった太一だが、小学生以来ぶりに再会した千早の変わらぬ熱意に動かされて、競技かるた部に入ることにする。
小学生の頃に千早たちと競技かるたで対戦したことがあるテニス部の肉まんくんこと西田優征(矢本悠馬さん)もそれが縁で競技かるた部に入部。しかし、正式な部活動として認められるには最低5人必要で、あと2人足りなかった。
太一は、1年生でまだどこの部にも所属していない机くんこと駒野勉(森永悠希さん)に声をかける。最初は拒否する駒野だが、部活に入らなければならないという学校の決まりがあるから形だけとして入部。一方、千早は、日本文化と古典をこよなく愛する大江奏(上白石萌音さん)に声をかけ、ある条件をのむことで入部を約束してもらった。
かくして5人揃ったことにより瑞沢高校競技かるた部の創設が実現した。千早は早速、全国大会を目指すと宣言。自身と太一が小学生の時に入会した競技かるた会「府中白波会」での合宿の話を進めるのだった…。
千早には、かるたの楽しさとか新の熱をもっともっといろんな人に知ってほしいという夢がありました。それはさながら新への恋心のようでもあり、それを知る太一の気持ちは複雑です。なぜなら太一は千早に想いを寄せているからです。そんな太一は千早の心をつかむために卑怯なことをしてしまった過去があり、そのことが理由で“ちはやぶるの神様”から見放されていると考え、「はっきり分かったんです。青春全部懸けたって俺はあいつ(=新)に勝てないって」と、小学校時代のかるたの師匠である府中白波会会長・原田秀雄(國村隼さん)の前で弱音を吐きました。それに対して原田は、百人一首の「このたびは ぬさもとりあへず たむけ山 紅葉の錦 神のまにまに」を取り上げ、運とか神様とか言えるのはやれることを全部やった人が言えることだと諭しました。その時に原田が言った「青春全部懸けても勝てない?まつげ君(=太一)、懸けてから言いなさい」というセリフが印象的でした。そして本作の終盤。自分には競技かるたの才能がないと嘆く駒野に対して、太一は才能なんて自分にも無くて、苦しくて逃げたいけど、いつか越えられる気がするからやっているのだと言いました。太一の覚悟が感じられてカッコよかったです。
猪突猛進で不器用な性格にして天性の聴力を持つ千早、スポーツ万能で頭脳明晰ながら運に恵まれない太一、かるたの永世名人である祖父の血をひいて非凡な才能を持つ新の3人はもちろんのこと、競技かるた部のムードメイカーで試合時に食べていたことからそのあだ名が付いた肉まんくんこと西田、机にかじりついて勉強していたことからそのあだ名が付いた机くんこと駒野、呉服屋の娘で百人一首への愛情が深い奏たちもいい味を出していました。競技かるた部の面々のやり取りがまさに“青春”という感じで、眩しくて心が洗われました。
北央学園・競技かるた部のエースで“ドSの須藤”こと須藤暁人(清水尋也さん)、須藤の腰ぎんちゃく的存在のヒョロこと木梨浩(坂口涼太郎さん)も瑞沢高校競技かるた部の敵としていい味を出していました。
後編となる『ちはやふる-下の句-』では、いよいよ現在の競技かるたクイーン・若宮詩暢(松岡茉優さん)が物語に絡んでくるようです。来月4月29日公開予定です。