ブラックボード (松下奈緒さん)

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ドラマ『ブラックボード~時代と戦った教師たち~』は4月5日から4月7日の三夜連続でTBS系列にて放送されました。
松下奈緒さんは、第三夜(学級崩壊[夢])に滝沢桃子 役で出演しました。
●導入部のあらすじと結末を含めた感想
2011年、大田区立都中学校の3年2組担任・滝沢桃子(松下奈緒さん)のクラスは学級崩壊の状態に陥っていた。きっかけは転入生の大宮正樹(神木隆之介さん)であった。彼は反抗的な態度で「わかりません」と常に教師に逆らい、周りの生徒も感化されて学級崩壊に繋がったのだ。
桃子がスピーチの課題として黒板に書く“my dream”の文字も虚しく、話をまともに聞く生徒は誰もいない。それどころか生徒たちは桃子を馬鹿にして楽しんでいる様子だ。精神的に追い込まれた桃子は自殺までしようとするが、母・圭子(原田美枝子さん)の叱咤激励により原点を思い出して再スタートする。
桃子の新しい方針は保護者からも反発を招き、校長の横手涼子(倍賞美津子さん)は桃子に一時休職を勧める。しかし、もう一度生徒に向き合おうとする桃子の強い決意を汲んで、担任を続けることを認める。
そんな中、桃子は、意味もない授業妨害だと思っていた大宮の言葉の中にメッセージが含まれていることに気づく。そして、大宮がどうしてあんな態度を取るかを知ることで、生徒は一人ひとり違うと気づかされ、これまでの態度と一転し改めて生徒に向き合うようになるのだった…。
大宮の「わかりません」は本心で、反抗しているわけではありませんでした。学習できるような家庭環境ではない大宮は、かなり早い段階で授業についていけてなかったのです。大宮にとって学習が大幅に遅れていることが知られるのは屈辱だと思っていることを悟った桃子は、大宮を説得して秘密の個別指導にあたります。しかし、それは桃子が生徒の大宮と不適切な関係を結んでいるという誤解を招き、やがて淫行の疑いをかけられ、東京都青少年健全育成条例違反容疑で逮捕される事態にまで発展しました。2人だけの秘密の補習授業のはずが、横手校長も知っていたことから、大宮は桃子が約束を破ったと誤解。腹を立てた大宮は桃子に関係を迫られたと嘘の証言をしました。警察の取り調べで、犯行を否認するものの、大宮との約束を守るために黙秘を続ける桃子。そんな桃子の心の支えは、小学校1年生の時に教師を志すようになったという原点でした。裁判で、桃子が自分のために黙秘を続けていることを知った大宮は、自分が嘘の証言をしていたことを告白。その後、桃子の容疑は晴れました。その間、入試が無事終わり、桃子のクラスの32名全員の進路が決まり、大宮も運送会社で働くことが決定し、夜間高校に入るべく勉強しているとのことです。
そして迎えた卒業式。横手校長に誘われた桃子はためらいつつも卒業式に向かいました。しかし、つつがなく卒業式を終えたいという理由で、教師や保護者は桃子が卒業式に参列することを反対。横手校長が桃子を擁護しましたが、桃子は「晴れの卒業式を台無しにしたくはありません」と言って学校を後にしました。しばらくしてクラスのみんなが桃子を追いかけて走ってきて、あらためて教室で最後の授業をすることになりました。桃子は「新しい夢を見つけました。それは皆さんが夢を持って生きていってくれることです。どんなに辛い状況でも、どんなに不公平な環境でも、夢を持つこと、これだけは誰にでも許されていることです。自分の夢を自分の人生を絶対にあきらめないでください。もちろん私は皆さんの未来を絶対にあきらめません。私は担任をした皆さんを一生ひいきします。覚悟してください。しつこいですよ」とみんなに告げました。それからクラスのみんなが黒板に“私の夢”をそれぞれ書いてくれました。スペルが間違っていましたが、大宮は英語で“私の夢は先生です”と書きました。なんだか感動的です。そして、桃子は感謝の言葉を述べ、「私の授業は以上です」と言いました。教室はみんなの笑顔であふれていました。
最後は白濱正平(櫻井翔さん)の「時は流れ、街は変わった。たくさんの命が生まれ、たくさんの人が旅立った。しかし、学校はいつもそこにある。数え切れない出会いと別れを、物言わずただ静かに見つめている」というナレーションで締めくくられました。
学校も“時代”とともに変わるのかもしれません。でも横手校長が言っていたように“時代のせいにはしたくない”こともあるのだとあらためて思いました。

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