アメリカン・スナイパー (ブラッドリー・クーパー)

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映画『アメリカン・スナイパー』(American Sniper)は、イラク戦争に4度従軍したクリス・カイルの自叙伝を実写化した作品です。『ミリオンダラー・ベイビー』や『硫黄島からの手紙』などのクリント・イーストウッド監督がメガホンを取っています。
ブラッドリー・クーパーは、主人公のクリス・カイル役で出演しています。
先日、試写会で鑑賞しました。明後日21日から全国公開されます。
●導入部のあらすじと感想
テキサス州に生まれたクリス・カイルは、幼い頃に父親から狩猟を教わった。父親は人には“羊、狼、番犬”の3種類があるとし、カイルたち息子に“番犬”になるよう教育した。
時は経ち1998年、アメリカ大使館爆破事件をテレビで見たカイルは憤慨し、愛国心から海軍に志願する。指導官による理不尽にも見える厳しい訓練を乗り越えたカイルは、晴れて特殊部隊ネイビー・シールズに配属される。タヤ(シエナ・ミラー)と出会い、幸せな日々を送っていたカイル。そんな中、アメリカ同時多発テロ事件が起こる。タヤと結婚するカイルだが、戦争が始まって戦地へと派遣される。
カイルは、そのイラク戦争で狙撃手として大きな戦果を挙げ、やがて軍内で「伝説」とまで呼ばれるようになる。しかし、過酷な戦いや守れなかった仲間達への思いから、戦地への派遣を重ねるごとに心が段々壊れていくのだった…。

4回に渡りイラクへ派遣され、イラク軍およびアルカーイダ系武装勢力の戦闘員160人を殺害した凄腕の狙撃手として、味方からは「伝説」と賞賛され、敵側からは「悪魔」と恐れられて懸賞金が懸けられたカイル。本作では、そんな彼の狙撃を中心とした死と隣り合わせの戦場シーンと、それと並行して彼の家族ドラマが描かれています。
従軍により心身を蝕まれ、家に戻って家族と過ごしていても“心ここにあらず”といった様子のカイルに対し、妻・タヤが、「私は一人で思い出を作っている。(カイルと思い出を)分かち合えない」と嘆き、「戦争で影響を受けない人はいない。心はいつも蝕まれている。本当よ」と涙を流して訴える場面が印象的でした。
父親の影響もあって、羊(=自国・家族)を狼(=外敵)から守るために戦う“番犬”であろうとしたカイルは、皮肉にもその信念を強く貫いたがゆえに、やがて重い犠牲を払うことになります。クリスの活躍を讃えた英雄物語というよりは、戦争は人命をはじめあらゆるものを奪い、そして、戦いに生き残っても、それに関わった人々の心を破壊していくといったことが中心に描かれているように感じました。
ラストで少しずつ人間の心を取り戻していくカイルが、息子に狩猟を教える際に「命を奪うのは重大な行為だ。だから一緒にやろう」と語りかける場面も印象的でした。

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