誰も守ってくれない (佐藤浩市さん)

satokouichi
佐藤浩市さんは、現在公開中の映画『誰も守ってくれない』に勝浦卓美 役で出演しています。
先日、劇場に観に行きました。
●導入部のあらすじと感想
ある日突然、中学3年生の少女・船村沙織(志田未来さん)の兄で18歳の少年・直人(飯嶋耕大さん)が、小学生姉妹殺害事件の容疑者として逮捕される。容疑者家族をマスコミの追及や世間の中傷から守るため、警察のマニュアルにのっとり、船村夫婦、そして娘の沙織は別々に保護されることになり、沙織の保護は、彼女と同い年の娘を持つ、東豊島署の刑事・勝浦卓美(佐藤浩市さん)が担当することになった。
兄が逮捕されて“殺人犯の妹”となった沙織は、突然、社会的に居場所を失い、次々と悲劇に襲われ、心を傷つけられる。そんな沙織を保護する勝浦もまた、3年前に自分が捜査していた事件で、泳がせて尾行していた容疑者が通行人の幼児を巻き込んで死なせてしまったことにより、心に深い傷を抱えていた。2人は、マスコミに追いつめられ、ネット上の掲示板の書き込みによって個人情報が次々とさらされて、逃げ場を失っていくのだった…。

本作は、第32回モントリオール世界映画祭のワールド・コンペティション部門で最優秀脚本賞を受賞しました。
監督は『踊る大捜査線』シリーズの脚本を手掛けてきた君塚良一さんで、同シリーズにおいて警察取材を行う中で容疑者家族の保護に関心を持ち、ドラマがスタートした1997年から10年間構想をあたためてきた企画だそうです。
君塚さんが意図した通り、映画では、未成年が犯す犯罪、家族という絆の崩壊、個を切り捨てる組織、誰彼なしに糾弾するマスコミ、暴走を始めたネット、匿名性の恐ろしさ、社会にさらされる個人など、今現実に社会が抱えている問題点を浮き彫りにしているように感じました。沙織と勝浦はそういった現代社会の理不尽さ、非情さを目の当たりにしながらも、それらを受け入れることにより人間的に強くなり、物語は希望のある終わり方でした。2人が次第に傷ついた心と心を通わせていくところなども感動的でした。
私も他人の痛みを感じ取り、本当の意味で誰かを守っていけるような強い人間になりたいと思いました。

ちなみに、映画の公開日と同じ日に、『誰も守れない』というドラマスペシャルが放送されました。映画が“加害者家族の保護”をテーマにしていたのに対し、ドラマでは“被害者家族の保護”をテーマに、映画の物語の4ヶ月前に起きた事件を描いたものになっていました。映画の冒頭で勝浦が娘にあげるプレゼントを買う背景や、勝浦と同僚・三島省吾(松田龍平さん)の絆や、勝浦と尾上令子(木村佳乃さん)の関係性なども描かれていて、私は映画を観る前にドラマスペシャルを観ていたので、より一層映画が楽しめました。