官僚たちの夏 (佐藤浩市さん)

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佐藤浩市さんは、TBS系列にて毎週日曜夜9時から放送されている日曜劇場『官僚たちの夏』に風越信吾 役で出演しています。
一昨日は第1話が放送されました。
●あらすじと感想
原作は作家・城山三郎の同名小説です。
敗戦後、高度経済成長期へと向かう昭和30年代の通産省を舞台に、日本を世界と肩を並べる豊かな国にしたいという使命感に燃えた官僚たちの人間模様を描いた作品です。
第1話は、『国民車構想』の話がメインでした。風越信吾(佐藤浩市さん)に国民車構想の話を持ちかけられた朝原太一(蟹江敬三さん)は、娘婿で社員の日向毅(加藤虎ノ介さん)たちの熱意に押されて国民車に取り組みました。完成への道のりは困難を極めましたが、通産省の風越、鮎川光太郎(高橋克実さん)、庭野貴久(堺雅人さん)らの献身的支えもあり、念願の4人乗りで時速100kmを出せる車を完成させます。しかし、アメリカディーラーには、オモチャの車だと馬鹿にされてしまいました。その後、過労がたたってか、朝原は亡くなってしまいます。そのことにより、風越はマスコミからバッシングを受けますが、朝原の妻・弥生(市毛良枝さん)が見せてくれた作業日誌には、「戦争に負けて以来、夢見ることを忘れていたが、風越信吾という男がもう一度夢を見させてくれた」との記述がありました。弥生は「これは主人の遺言だと思います」と言いました。
今回、印象的だったのは、庭野の「我々は報いを求めて働いているわけじゃない」という言葉です。ドラマでは、官僚たちが、私利私欲のためではなく、あくまでも敗戦で失った日本人としての誇り・自信を取り戻すために奔走します。実際の官僚や政治家もそうであることを願ってやみません。
今後興味深いのは、風越を中心とた鮎川、庭野ら国内産業の保護を訴えるいわゆる“国内産業派”と、玉木博文(船越英一郎さん)を中心とした片山泰介(高橋克典さん)ら国際化を目指して自由貿易を理想とするいわゆる“国際通商派”との攻防です。今は高みの見物で大きくは動いていない大物政治家・池内信人(北大路欣也さん)の今後の動向も気になるところです。

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